3年で復旧を果たした三陸鉄道 海外からの支援に地元住民も感動

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地域の声に応えての復旧

 鉄道会社の存続は、社員の生活を守るということだけにとどまるものではない。沿線の利用者の生活にも大きく影響を及ぼす。震災後、被災現場を歩いて利用者の期待を敏感に感じとった。望月社長は「鉄道が必要とされているかどうか」をまず考えたとメディアのインタビューに答えている。
 もっとも象徴的なシーンが『線路はつながった』(新潮社刊)の冒頭にある。北リアス線島越(しまのこし)駅の様子を見に来て、瓦礫の中で立ち尽くしていた時、片付けをしていた地元の人に声をかけられる。
「三鉄、いつ動くんだ」

 企業は人なり、とはよく使われる言葉だが、まさに望月社長でなければ線路はつながらなかったかもしれない。大震災の前年6月に社長に就任、8カ月後に会社存亡の危機に立たされたトップの決断は、この4月、三陸沿岸に笑顔の春をもたらしたのだ。

【お知らせ】
3.11、路線の多くを被災した三陸鉄道。その鉄道マンたちの奮闘を描くコミック『さんてつ』の作者・吉本浩二さんより『線路はつながった』の著者・冨手淳さんへ素敵な応援メッセージをお寄せいただきました。

デイリー新潮編集部

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