対話による緻密でスリリングな分析/『村上春樹で世界を読む』

文芸・マンガ

 村上春樹は幸せな作家だ。何冊ものオマージュ本が捧げられ、無数の論文が書かれ,批評家たちが競って採り上げる。村上作品の何が人々を惹きつけ、情熱を掻き立てるのか? 本書はその謎を解く糸口を提供してくれる。語り合うのは、長年、新聞社の学芸部で活躍してきたベテラン文芸記者(重里氏)と、大学で創作を教える傍ら批評や小説を発表している作家(三輪氏)。『ノルウェイの森』から、最新作にいたるまでの主な長編小説八篇と、『アンダーグラウンド』『約束された場所で』の二長編ノンフィクションを一章ごとに採り上げるという構成で、時には互いに共感し、時には反論し合いながら、対話は深まってゆく。

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