ヒトは「我慢するサル」である/『拡張する脳』

IT・科学

 脳科学はこの五〇年で目覚ましい発達をした。確かに現在では、脳のどの部位がどんな働きをしているかを示す「脳地図」さえも描けるほど脳は解明されつつある。だが、それらはあくまで脳の各部位の研究者がそれぞれの専門領域で明らかにしたものを積み上げただけにすぎない。複雑すぎるネットワーク機能を持つ脳の働きを調べ、科学的に解明するためには、それしか方法がなかったからだ。

 著者は前作『つながる脳』で、そんな脳研究の姿に疑問を持った。つまり、瞬間ごとに変化している環境やルールに対応して適切に行動を切り替えている「社会脳」としての脳の本当の働きを理解するためには、脳の一部を調べてもダメで、全体としての脳の働きを調べなくてはならない。

...

記事全文を読む