野生を失った人類の皮肉/『わたしたちの体は寄生虫を欲している』

IT・科学

 一時期流行った「寄生虫ダイエット」の類の本ではない。現代を生きる人類に新たな視点で警鐘を鳴らす、ポピュラーな進化生物学の書である。
 改めて本書のタイトルを見てほしい。約四〇〇万年続く人類の歴史のほとんどの期間、ヒトは腸内に寄生虫や細菌を棲まわせて生き、それに適応するように進化してきた。ところが都市文明は清潔を求めるあまり、肉体の都合を聞くことなく寄生虫や細菌を駆逐してしまった。ところがヒトの免疫システムはまだ、その清潔な世界に対応できていない。つまり、タイトルの真意は「ヒトの体はすでにいなくなった寄生虫を今も退治したがっている」なのである。

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