読み換えられた「古典」/『「平家物語」の再誕』

文芸・マンガ

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」で始まる『平家物語』は、古典の定番である。そのサワリの一つや二つは、誰でもが自然に覚えていたりする。歌舞伎や能にもたくさんの素材を提供している。だから『平家』は、はるか昔から古典中の古典として認知されていたのかと、てっきり思っていた。本書を読むと、それは明治の後半からだったという。
 井原西鶴が紅葉、露伴らによって、『万葉集』が子規によって「再発見」されたことを想起すれば、なるほどと納得がいくのだが、『平家』の場合は、勃興する帝国日本の国民文学という役割を負わされていた。

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