ワダエミの創造力の最深部には/『ワダエミ』

アート

 黒澤明監督の映画『乱』を思い出すと、私の眼前にはまず、登場人物たちの衣装の色が鮮やかに浮かんでくる。主人公の一文字秀虎の白と金、三人の息子(太郎、次郎、三郎)たちの黄、赤、青はどれも目映く、それぞれの色がそれぞれのキャラクターを象徴しながら絡みあい、シェークスピアの『リア王』を翻案した時代劇に強烈な印象を残した。

 それがワダエミの仕事と知ったのは、『乱』の衣装デザインがアカデミー賞最優秀衣装デザイン賞に輝いたときだった。もう二十七年も前のことだが、その後もワダは、映画、演劇、オペラ、ミュージカル、バレエから宗教行事まで、国内外で活躍をつづけている。

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