「高校生ゼロ」の広島と「5人中4人」の日本ハム! 来季が正念場の新井・新庄両監督、ドラフト戦略に表れた“残酷な格差”
2027年のプロ野球は、巨人・松井秀喜と中日・工藤公康の新監督対決で幕を開ける。11月4日に発表された来季の日程で、3月26日の開幕戦で両チームが激突することが決まった。秋季キャンプには多くのファンや報道陣が詰めかけ、早くも大きな注目を集めている。【西尾典文/野球ライター】
【写真】「投げっぷりのよいフォームから繰り出す150キロが武器」日ハムが支配下指名した5人のうち“唯一の大学生”の姿
広島「高校生ゼロ」の事情
その一方で、来季の結果次第では進退問題に発展しかねない監督がいる。広島の新井貴浩と日本ハムの新庄剛志である。
新井監督は就任1年目の2023年こそ2位に躍進したものの、その後は3年連続でBクラスに低迷。今季は「ゾンビたばこ」を巡る問題で主力選手が相次いで退団するなど、球団を取り巻く状況は厳しい。一方、新庄監督は最初の2年間こそ最下位に沈んだが、2024年から2年連続で2位に浮上。しかし、優勝を期待された今季は3位に終わった。両監督とも来年は結果を求められる立場にある。
興味深いのは、両球団が10月22日のドラフト会議で対照的な指名を見せたことだ。
広島は1位で大学生遊撃手の山里宝(亜細亜大)を指名。支配下で6人、育成で3人を獲得したが、全員が大学、社会人、独立リーグの選手で、高校生はゼロ。即戦力の確保を優先した意図が鮮明に表れた。
この指名について、他球団の編成担当者は次のように分析する。
「ゾンビたばこの問題で小園海斗、矢野雅哉、前川誠太と内野手が3人自由契約となり、その穴を埋めようとする狙いを感じました。ただ、山里はそこまで評価が高かった選手ではなく、他球団で1位候補に挙げていたところはなかったようです。2位では確実に指名できないと判断し、繰り上げたのではないでしょうか。2位の西野啓也(立命館大・捕手)も、捕手不足を反映した指名に見えました。ただ、ドラフトは本来、将来のチームを見据えて選手を獲得する場です。すぐに使える選手は外国人やFAで補強するのが一般的でしょう。広島は過去にFAで他球団の選手を獲得したことがなく、どうしてもドラフトに頼りやすい。今回は選手の能力やポテンシャルより、空いているポジションを優先した印象が強いですね」(他球団の編成担当者)
広島が高校生を1人も指名しなかったのは、1965年にドラフト制度が始まって以来、球団史上初めて。松田元オーナーは「いずれは高校生を獲るサイクルに戻らないと。それだけ危機感を抱いている」と発言しており、将来への投資より目先の戦力補強を優先せざるを得ない苦しい事情がうかがえる。
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