ファンの夢は「二刀流の完全復活」だが…大谷翔平“手術回避”も先発ローテーション入りは“条件付き”とされた理由
前例がない……
「今オフは、スクーバルの慰留が最優先事項との見方もされています。ニューヨーク・メッツも彼の獲得を狙っており、米スポーツメディア『Sports Illustrated』では、5億ドル(約785億円)の争奪戦になると予想していました」(前出・同)
フリードマン編成本部長は「Sports Illustrated」の取材に対し、「スクーバルに残ってほしい」とし、「我々にできることは(代理人のスコット・)ボラス氏と話し合いを重ねることだ」と答えていた。投手・大谷の復帰に見通しが立っていない以上、2桁勝利の左腕投手の残留は絶対に必要だ。「Sports Illustrated」は、23年12月に12年総額3億2500万ドル(約465億円=当時)で契約した山本の投手最高額を超える流れについても触れ、「チーム内のバランスが崩れてしまうのではないか」とも懸念していた。同編成本部長もチームの序列については当然考えているはずだ。スクーバルとの残留交渉は「来季、大谷の二刀流にどれだけの負荷を掛けられるのかが分からない」状況も物語っている。
その「Sports Illustrated」が取り上げた主なテーマは、大谷の二刀流についてだった。フリードマン編成本部長は二刀流の復帰に向けて、「故障の再発を防ぎながらポストシーズンで最高の力を発揮するための計画を立てていく」と答えていたが、大谷と長く話し合いを続けても、新しい復帰プランには確信が持てないのかもしれない。手探り状態となる理由は至ってシンプルだ。前例がないからである。
大谷には開幕からシーズン終了まで二刀流でプレーしたことがあっても、その先のポストシーズンマッチで投手登板した経験が一度もない。約6か月間のペナントレースを投打二刀流で乗り切っても、そこからさらに先の約3週間を駆け抜けた事がないため、復活のためのトレーニングメニューは試行錯誤の連続となる。
「大谷の性格もありますが、今シーズンは出場を優先するあまり、コンディションが正確に首脳陣に伝わっていなかった可能性も指摘されています」(前出・同)
二刀流のキャリアハイはロサンゼルス・エンゼルス時代の22年で、28試合166イニングを投げて15勝利9敗、防御率2.33。打者として157試合に出て666打席に立っている。その翌年9月には自身2度目となるトミー・ジョン手術を受けているが、体のあちこちを痛めていた。“満身創痍のシーズン”という意味で重なるのは、23年と今季とも、3月のWBCに出場していること。復活のトレーニングメニューを考えるうえで、3月にベストパフォーマンスを見せなければならないWBC大会への出場についても議論されるだろう。
「23年WBCに出場したときの大谷は28歳で、今季は31歳でした。年齢のことも加味されるはずです」(米国人ライター)
「大谷が投手を辞めると言い出してもおかしくはない」
米ポッドキャスト番組「Foul Territory」でも二刀流復帰の問題が取り上げられ、元メジャーリーガーで司会役も務めるA.J.ピアジンスキー氏(49)は、「大谷がいきなり投手を辞めると言い出してもおかしくはない」と言い切った。
癖の強い人物で現役時代はトラブルも多かったが、19年のキャリアを誇るレジェンドでもある。他の出演者が「心配」と「希望的観測」しか言わなかったので、A.J.ピアジンスキー氏が“汚れ役”を引き受けたと捉えた視聴者もいたそうだ。
リーグチャンピオンシップシリーズ中、ドジャースタジアムには空席が出始めていた。今季のポストシーズンマッチ敗退がいきなり観客減につながることはないが、スタジアムを再び熱くさせるのはやはり「二刀流の完全復活」である。




