「俺はツネの後見人じゃない…」 岡田武史氏に“見限られた”宮本恒靖会長の窮地 アジア杯延期で「森保続投」も完全に裏目…問われるリーダーシップ

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財政難と人脈不足

 こうして見ると、インファンティノ会長に対する姿勢は、岡田氏の背中を押したきっかけに過ぎないことがわかる。人間関係の「こじれ」があり、その一因には宮本会長のナルシスト的性格による独断癖と、調整能力の欠如があったのであろう。

 では、重要な「後見人」を失った宮本会長の今後はどうなるのか。

「財政難が一番の気がかりです。JFAは総工費42億円をかけた代表チームのキャンプ施設『JFA夢フィールド』の建設や、女子プロサッカー『WEリーグ』創設に向けての支援金、そしてコロナ禍での全国の地域クラブへの無利子・無担保の融資など巨額出費が相次ぎ、2022年度には49億円の赤字決算となった。その穴埋めとして自社ビル(JFAハウス)を200億円ともされる額で売却しましたが、その入金もすべて終わり、今年度予算では約31億円にものぼる赤字が見込まれています。この立て直しが急務です」(前出・記者)

 加えて、人脈の狭さも気にかかる。

「JFAには辞めた岡田氏を除いて2人副会長がいますが、そのうちの1人に、民間企業の現役トップ、西原一将・西原商会社長を呼びました。会長枠としての、宮本会長の一本釣りですが、当の西原副会長自身が“何で俺?”とびっくりしていたほどです」(同)

 岡田氏辞任に続き、宮本会長は難題をさらに抱えた。中東情勢の悪化によって、森保監督のラストゲームとなるはずだったアジア杯の開催が、2027年12月~2028年1月に延期となったのだ。

「これによって、ロス五輪の予選とアジアカップの日程がかぶることになった。五輪とA代表の両方を大岩氏が見ることは極めて困難ですから、どのように対応するのか。森保監督の異例の半年間の任期延長という決定が、もろに裏目に出てしまった格好です。難局打開のために、よりリーダーシップが問われることになりますが、今の宮本会長にこれを乗り切る求心力が果たしてあるのかどうか…」(同)

 5日には、JFAの理事会が開催された。会議後に取材に応じた宮本会長は、「岡田さんとは喧嘩別れではない」「『外からツネのことを支えるから』と言っていただいた」と火消しに躍起。しかし、理事会では田嶋名誉会長のFIFA会長選立候補が決まったという。

「インファンティノ会長に対抗する姿勢を鮮明にしたもので、岡田さんの主張に賛同する理事たちによる動きです。宮本会長は完全に蚊帳の外でした」(前出・サッカーライター)

 存在感は日に日に薄くなっているようだ。

【前編】では、岡田氏が宮本会長によるA代表「外国人監督招聘案」に不信感を抱いた理由について詳述している。なぜ岡田氏は宮本会長の監督選考に激怒したのか――。

小田義天(おだ・ぎてん) スポーツライター

デイリー新潮編集部

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