「事務次官経験者なら2500万円近くの年収」 天下りはなぜなくならない? 官僚の意見は「エリートなのだから、権利は当然」
「事務次官経験者であれば2500万円近くの年収」
そうした屁理屈はお手の物なのだろう。
「事務次官経験者であれば2500万円近くの年収はもらっています。天下りをしても基本的に退職時の給料を下回ることはありません」(古賀氏)
周到に手配されているのは、報酬にとどまらない。
「個室、秘書、社用車、そして交際費まで用意されることもある。こうした待遇は、エリート官僚たちの“メンツ”を守る仕組みとして機能しています」(同)
このような“おもてなし”に囲まれて、肝心の元官僚は何をしておられるのだろうか。
「彼らが報酬に見合った仕事をしているかというと、そんなことはありません。むしろ、経営についてよく知らないのに真面目に監視や提案などされるのは会社としても困るので、のんびり過ごしてくれる方がありがたい。さらに、会社が〈役員賠償責任保険〉をかけてくれるため、万が一、株主代表訴訟などが起きて職を失った際も保険が適用されるのです」(同)
官僚側の論理は「天下りは当然の権利」
手厚く遇するのは企業側にもメリットがあるからだ。
「企業には東証のガバナンス・コードなどにより独立社外取締役を増やすよう圧力がかかっていますが、厳格な弁護士や有識者などよりも、建前上“中立・公正”である官僚OBを迎えた方が経営陣としてもやりやすい。また官僚は人脈も強力で、不祥事などに際して相手官庁の対応方針を探る役割も期待できます」(古賀氏)
お互い“ウィンウィン”らしい。しかし、どう見ても健全ではない。
「天下りの最大の問題点は、行政や政策がゆがめられてしまうことです。天下り先のポストは、現役官僚にとって、将来の自分の行き先でもある。すると、役所はどうしてもその企業や団体にとってマイナスになるような政策や規制改革などを実行しにくくなります」(同)
それだけではない。
「業界団体から政治献金を受ける“族議員”と、天下り官僚や現役官僚が組んで、政治を巻き込む構造が生じてしまうのです」(同)
それにしても、これだけ批判を浴びながら、悪びれもせずに“遺風”が生き延びるのはなぜなのか。
「国民から見れば“ふざけるな”という話です。が、官僚側にはまったく異なる論理がある。つまり“自分たちは東大法学部などを出た一番頭のいい人間なのに、国会での叱責や徹夜の作業、そして安月給に耐えてきた。天下りは当然の権利だ”というわけです。私は天下りを禁止するべきだと考えていますが、実際にやめるのは難しいと思います」(同)
前編では、数々のコンサルが地方自治体を“食い物”にしている実態などについて報じている。
[2/2ページ]

