巨人「松井新監督」はよく引き受けてくれた…どうかどっしり構え、明るく伸び伸び、楽しくチーム運営を 強行指名の織田には「まず巨人」を勧める【柴田勲のコラム】

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高橋由伸、清水隆行の顔ぶれは心強い

 秋季キャンプ初日から大勢のファンが訪れ、テレビ局数社が地上波でその模様を生中継するなど「松井フィーバー」はすでに始まっている。

 プロ野球は選手の力が9割、あとの1割は監督やコーチによるものだ。まあ、松井ならそこはどっしりと構えて、自分のチームをしっかり把握していくと信じている。

 ニューヨークに生活の拠点を置き、日本の野球、巨人の試合を見ていないはずだ。秋季キャンプではまず選手1人1人を自分の目でじっくり見ることから始まっていると思う。

 高橋由伸がヘッド、清水隆行が打撃チーフコーチに就任した。2人は巨人の試合をよく見ているし評論活動も行ってきた。これは心強い。

 巨人の課題は打撃だ。得点力のアップに尽きる。チーム打率2割3分4厘はリーグ4位、チーム本塁打103本も同4位だ。しかも、ここぞの場面で1本が出ない「タイムリー欠乏症」だ。

 今季は143試合で132通りの打線を組んだが、これには反対だ。打順にはそれぞれ役割がある。選手の適性を見極めて、1シーズンを通してトータルで考えるべきだ。そして1度決めたら30試合くらいはそれで押し通す。

 松井監督が高橋、清水の両コーチとともにいかにして強力な打線を作っていくのか。期待は大きい。

織田は巨人で挑戦の足場を作れ

 巨人がメジャー挑戦の意向を表明している横浜高校の織田翔希投手をドラフト1位で指名した。

 メジャー挑戦に対する本人の気持ちは相当固いようだ。私は巨人に入団してからでも遅くはないと思っている。

 高校を出てすぐにメジャーに挑戦した選手は何人かいるけど、成功したためしは聞いたことがない。言葉の障害、生活面での違いなど18歳にはきついし苦労する。並大抵のことではないと分かる。

 巨人と話をして6~7年はプレーして、成功したらメジャー挑戦を許してもらう。7年後の織田は25歳、投手として脂が乗った年齢だし、そこから32歳くらいまでは黙ってやれる。生活面の苦労がなく野球に打ち込める環境が整っているのは大きいし、親や友人といつでも会える。

 もちろん、このままメジャーに挑戦して成功するかもしれない。最終決断は本人しかできない。でもねえ、傍から見て日本で実力を蓄えて海を渡った方がいいのではと考えてしまう。大谷翔平もそうだった。

どっしりと構えてチームの掌握を

 最後になるが「松井巨人」の誕生で来年以降のプロ野球がますます楽しみになってきた。盛り上がるだろう。

 気の早い向きからは「打倒ソフトバンク」なんて声も上がっているが、DeNAとの日本シリーズで分かったように、ソフトバンクは無類の強さを誇っている。

 セ・リーグの制覇。これを合言葉に慌てることなく……松井はそんなタイプではないが、何度も言うようにどっしりと構えてまずはチームの掌握に力を注いでほしい。

柴田 勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

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