駅から撤去される「時計」「エスカレーター」、そして「トイレットペーパー」 だが、SNSで話題の無人駅のトイレでは“意外な光景”が…JR東日本に尋ねると

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 一時期はみどりの窓口の閉鎖を急速に進めるなど、積極的にコストカットを図っているJR東日本。コストカット以外にも混雑緩和などのそれぞれの駅ごとに事情があるようだが、昨今、窓口だけでなく、様々なものが撤去されている。

 例えば、武蔵野線の主要駅の一つである南越谷駅では、エスカレーターの一部が撤去されてしまった。上り・下りのエスカレーターがなくなった場所は、誰もが階段を利用しなければいけない。ホームに直通するエレベーターがあるので我慢できる範囲内かもしれないが、駅を使い慣れていた人の間では不満の声が上がる。

 山梨県の大月駅では、改札口にあった時計が撤去された際、市議会が再設置を求める決議を可決するほどの騒ぎになった。スマートフォンで時間を確認できるので、時計はなくてもいいのかもしれない。だが、誰もがスマホを持っているわけではない。SNS上でも「やりすぎ」「利便性の低下だ」と反発する声が多数上がっていた。【取材・文=宮原多可志】

トイレットペーパー、撤去後、復活?

 9月、SNSで大きな騒動が起こっていた。新潟県の来迎寺駅で、なんと、トイレからトイレットペーパーがなくなってしまったというのだ。SNSに上がっていた張り紙の文面によると、2025年3月14日、駅の無人化に伴ってトイレットペーパーの設置を終了したとあり、「お客さまにはご理解をお願いいたします」と結ばれていた。

 来迎寺駅は、上越新幹線の停車駅である長岡駅から信越本線経由で3駅の位置にある。実際にトイレがどうなっているのか確かめるべく、9月後半に訪問してみた。来迎寺駅の駅舎は鉄骨鉄筋コンクリート造で、地域の玄関口らしい堂々たる風格がある。ホームも長く、長い編成の列車が行き交っていた時代の面影を残す。

 そんな来迎寺駅のトイレは、駅を出た右側にある。本当にトイレットペーパーは撤去されているのだろうか――と、緊張しながらトイレに入ったところ、拍子抜けしてしまった。トイレットペーパーが設置されていたのだ。何度も目をこすって確認したが、確かにトイレットペーパーはそこにあった。

 トイレもきれいだし、手すりも設置されているバリアフリー仕様である。これなら問題ない、ということで安心した。とはいえ、来迎寺駅はかなり寂しい駅になっていた。かつて駅員がいたであろう窓口はシャッターが下りているし、待合室の窓が全開になっていたので調べてみたところ、どうもエアコンが存在しないようだ。

 地方にしては比較的立派な駅だけに、至るところに見られるコストカットの痕跡が目に付いてしまう。朝夕は通勤通学の利用があるかもしれないが、日中の利用者はまばらであり、普通列車が1時間に1本停車する程度である。これなら、トイレットペーパーが撤去されても仕方ないのでは……と思ってしまった。

管理が大変な駅のトイレ

 さて、せっかくの機会なので信越本線の列車に乗ってみたが、沿線の駅、そして駅前が衰退している印象は拭えなかった。そして、様々な面でコストカットが図られていた。柏崎駅は沿線でも大きな駅の一つだが、駅構内にあったトイレが閉鎖されていた。列車内もしくは駅の改札を出た先にあるトイレを使用するよう、促す張り紙があった。

 また、青海川駅は無人駅ながら日本海を一望できる駅として、鉄道ファンの間でも有名な駅だが、ここのトイレは完全にトイレットペーパーがなかった。今どき珍しい和式便器が現存しており、洗面台もあるのだが、トイレットペーパーだけはない。また、この駅では今年の3月31日から、待合室にある案内装置を廃止したという告知があった。

 JR東日本は、地方では駅の無人化を進め、設備を撤去するなど、かなりコストカットを図っている。しかし、トイレくらいは可能な限り維持してほしいと思ってしまうのだが、鉄道会社にも同情すべき要素は多い。というのも、トイレットペーパーの管理は駅にとって大きな悩みだと思われるためだ。

 以前に取材したある鉄道会社の駅員は、駅のトイレからトイレットペーパーの盗難が相次いでいることを口にしていた。1日で5個もトイレットペーパーがなくなることもあったそうだが、密室で行われるため、盗難なのか、大量に使用されているのか判断が難しいのだという。もちろん、トイレに監視カメラをつけるわけにはいかない。

 トイレットペーパーがいたずらに使われることも多い。便器の中に放り込んで詰まらせ、トイレ中を水浸しにしてしまう悪質なケースもあるようだ。筆者もそういった被害に遭ったトイレを見たことがある。心ない者による迷惑行為が相次ぐことも、鉄道会社がトイレットペーパーを撤去したいと考える原因なのかもしれない。

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