「チームのプラスにならない」と名指しされた“キャプテン”とは…「中日ドラゴンズ」井上監督だけが悪いわけではない 「整列中にガムを…」主力選手を覆う“ゆるさ”の原因
チーム低迷の象徴
32歳の高橋周平は手厳しい言い方をすれば、チームの低迷を象徴する選手と言える。ドラフト1位で入団し、三塁の定位置をつかんで活躍した時期があったが、22年以降は伸び悩み、5年連続で100試合出場を切っている。今季は60試合出場で打率.250、0本塁打、5打点。
中日を長年取材するライターは指摘する。
「他球団だったら背番号3に見合う働きをしていないと判断されて剥奪されているでしょう。年齢を考えても戦力構想から外れていても不思議ではない。悪い人間ではないのですが、精神的に幼いんですよね。ベンチで周りを鼓舞するわけではなく、若手の手本になるタイプでもない。『周平だから仕方ない』と甘やかしているチームの空気にも問題があります」
土田も高卒3年目の2023年に114試合に出場し、レギュラーの座を掴みかけたが、その後、出場機会は減少。今季は49試合出場、打率.169、2本塁打、6打点に終わっている。
「ショートの守備はチームで一番ですが、打撃が課題です。また、性格が軽く、以前、負け試合の際、3球三振に倒れて最後の打者となった時に、ベンチに帰り際、ファンの呼び掛けに応えて手を振ってしまい、鬼軍曹の波留(敏夫)コーチ(当時)にぶちギレられていたことがありました。もう若手と言える年齢ではなく、他の球団だったら契約も危ぶまれるレベルです」(前出・OB)
前々日にも大ブーイング
中日ナインについては、最終戦セレモニーの前々日(9月19日)に行われた、東京ドームでの今季最終戦での態度も物議を醸した。巨人に1-14と大敗を喫し、6年連続Bクラスが確定後、レフトスタンドに集まったファンへ挨拶に向かった際、一部選手がベンチからノロノロと歩いて出てきて整列まで時間がかかり、ファンから大ブーイングを浴びせられたのだ。
低迷期が続くと、チーム内に流れる空気も緩くなる。これは中日に限った問題ではない。3連覇の後は8年間で7度のBクラスに沈む広島も、昨年7月に試合前の国歌斉唱で、一部の選手たちが笑みを浮かべるなど、緊張感のない態度を取っている様子が批判の的になった。
落合時代は…
一方、新庄監督の下でチーム再建に成功した日本ハムは「血の入れ替え」が功を奏したと言われる。
「前任の栗山英樹元監督の下で主力だった中田翔、大田泰示、西川遥輝(現日本ハム)がチームを去ったことで、万波中正、清宮幸太郎など若手を起用する下地が整っていた。早急に結果を求めるのではなく、時間をかけて彼らを育てたこともチーム力の引き上げにつながっています」(スポーツ紙デスク)
来季への戦いはもう始まっている。チーム改革へ、広島は覚悟を示している。10月1日には小園海斗、矢野雅哉、前川誠太、田村俊介の4選手に戦力外通告を行ったことを発表した。通称「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物を羽月隆太郎氏に譲渡したとして逮捕・起訴された会社役員と共に写った写真が週刊誌で報道。それに起因し、「信頼関係を築けない」ことが戦力構想から外れた大きな理由だった。小園は昨季首位打者を獲得し、今年のWBCにも出場した「チームの顔」だったが、チーム改革のため、大ナタを振るったわけだ。
別の中日OBは、「戦力を見ると時間がかかるかもしれないが、いまの広島は選手たちの表情から必死さが伝わってくる。伸びしろが大きい若手が多いですし、数年後が楽しみです」と語った上で、「一方の中日の選手たちは、バンテリンドームが連日満員御礼の環境に慣れてしまっているように感じられる。低迷期が今後も続くようだと客足は離れます。チーム強化に向け、フロントと現場がどれだけ危機感を持っているか。チームのプラスにならない選手は思い切って戦力構想から外す覚悟があってもよい」と強調する。
8年連続Aクラス、優勝4回、日本一1回など、常勝軍団を築いた落合博満政権では、野手だけを見ても、荒木雅博、井端弘和、森野将彦など、チームの勝利のために結束するプロフェッショナルの集まりだったドラゴンズ。時計の針を15年前まで巻き戻し、もう一度、強さを取り戻せるか。現場だけでなく、球団フロントの本気度が問われている。
関連記事【実は「続投に前向きだった」中日・井上監督 “心が折れた”シーズン最終盤の「決定的出来事」とは 「逆転負け40試合」の投手陣を立て直せる「外部招聘監督」の名前】では、井上監督退任の裏側について詳報している。井上氏に辞任を決意させた衝撃的な事件とは――。
[2/2ページ]



