「30本塁打」「8勝2敗」「防御率1.79」でも「大谷の時代は終わった!」の辛らつ批判…あまりにも“異次元の活躍”に我々の感覚はマヒしていないか

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 ここ数年、一部の海外メディアによる大谷翔平(32)に対する評価が厳しすぎないだろうかと思う。大谷のこれまでの成績があまりに異次元過ぎて、感覚が麻痺しているというのもあるだろうが、凋落を願っているの? と勘繰ってしまうような記事も散見される。【中川淳一郎/ネットニュース編集者】

大谷の時代は終わった

 東スポWEBは9月28日に<【ドジャース】大谷翔平 MVP絶望的で海外メディア辛らつ「大谷の時代は終わった!」>という記事を配信。内容は、PCAことカブスのピート・クロウ=アームストロング(24)が史上7人目の40-40(本塁打-盗塁)を達成し、MVP獲得が確実であるというもの。それに加え、韓国メディアが「大谷の時代は終わった!」という見出しの記事を掲載したことを伝えている。東スポWEB自体の意見ではなく、あくまでも厳しい意見の紹介という体だ。

 40-40はパワーとスピードを兼ね備えた選手であることを数字で示している。157年の歴史で7人しかいないというのは素晴らしい実績である。その7人の成績は以下の通り(最初の数字は打率)。

1988年:ホセ・カンセコ→.307 42本塁打 40盗塁
1996年:バリー・ボンズ→.308 42本塁打 40盗塁
1998年:アレックス・ロドリゲス→.310 42本塁打 46盗塁
2006年:アルフォンソ・ソリアーノ→.277 46本塁打 41盗塁
2023年:ロナルド・アクーニャJr.→.337 41本塁打 73盗塁
2024年:大谷翔平→.310 54本塁打 59盗塁
2026年:PCA→.280 45本塁打 41盗塁

 この中で別格なのが大谷である。なんとMLB史上唯一の50-50を達成したのだから。この年は投手としての登板はなかったが、40-40とは次元が違う。次いでアクーニャJr.の打率の高さと盗塁数の多さは特筆すべきであろう。今年の成績(後述)がこれほどではなかったからといって、海外メディアやMLBの一部記者による「大谷の時代は終わった」的な論調は早計過ぎるし、悪口を言いたいだけだ。

次々に上がる厳しい意見

 PCA(ピート・クロウ=アームストロング)は圧倒的な外野の守備力を誇るが、打撃の成績を見ると、2006年のソリアーノとほぼ同じで、他の5人と比べると見劣りする(とはいっても凄まじい記録である)。そんなソリアーノだが、MVPの投票では6位だった。獲得したのはフィリーズのライアン・ハワードで.313 58本塁打149打点である。

 だから、現在のPCAを歴史上類まれなるオールラウンダー的に過度に持ち上げ、大谷を下げる傾向が一部で見られることには強い違和感を覚えるのだ。今年、大谷は打者としては.275 30本塁打 81打点 11盗塁、投手としては14先発で8勝2敗、防御率1.79である。これはそのチームにおいては「強打の3番or5番打者」的かつ、「途中故障するものの、シーズンの半分は確実に貢献する剛腕投手」的存在であることを意味する。大谷はMLBの全162試合中139試合には出場している。

 とにかく一部のMLBのレジェンドや海外メディアは大谷に対して厳しい意見を述べたがっている。エンゼルス時代の2021年に大谷が.257 46本塁打 100打点 26盗塁をあげ、投手としては130.1回を投げて9勝2敗、防御率3.18、奪三振156を記録してMVPを取った時ですらそうだった。

 元MVPのジョシュ・ドナルドソンは、もしも自分に投票権があればブルージェイズのヴラディミール・ゲレロJr.に投票すると述べ、その根拠を、弱小チームであるエンゼルスの選手が最も価値があるとは言えないから、と述べた。また2025年、メッツのフアン・ソトを推した地元NYのメディアやファンは大谷がDHだったことを挙げ「守備をしていない選手よりソトがふさわしい」などと言った。じゃあ、ポストシーズン進出をしていないチームの名選手や、DHは全員MVPの対象外じゃないか!

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