自己紹介文が“数字ばかり”だとむしろ胡散臭さが増すことも…数字を駆使する人が陥りがちな“自己アピール”の落とし穴
数字を駆使する人は
だったらどんなプロフィールが良いかといえば、基本的には自分の専門領域を述べたうえで、得意なことと自分に備わった特殊能力を書けばいい。それは決して「数字」を並べることではない。飲み屋の会話程度で充分だ。知人で安全管理のエンジニアがいるが、彼に何の仕事をしているかを飲み屋で聞いたらこう言った。
「原発のメンテナンスをするため、全国各地の原発を回っています。大抵のミスは見るだけで分かりますね。現場が弛緩した雰囲気があったりすると、ヤバいケースが見つかることもあるので、気が抜けません」
ここでは決して「これまで訪問した原発は累計239か所、8000人以上の原発関係者へのヒアリングを行い平均1.7件のミスを発見し大事故を防ぐのに貢献する」なんてことは言わない。
数字が胡散臭く感じるのは、かつて雑誌によく掲載されていた「開運グッズ」の広告にも表れる。「効果97.6%」や、「パワーストーン比1260倍もの超波動エネルギーを確認!」、さらに「完全限定発売!! 4376個」などと、飢餓感を煽る表現にも数字が使われている。
怪しい情報商材販売をする人のプロフィールには「購入者は3ヶ月後に月商87万円達成!」「リピート率94%」「累計購読者数1238人」などとある。
また、この手の話法で思い出すのがトランプ米大統領である。
今年2月24日の一般教書演説では、「世界中から18兆ドル(約2600兆円)以上の対米投資を確保した」と主張したが、ホワイトハウスの公式HPに記載された投資総額は9.7兆ドルである。だが、Bloombergの検証では9.7兆ドルについて「将来的な努力目標」などの不確実な数字も加味したものであり、実際の投資確約額は7兆ドル程度となっている。イラン戦争ではラトニック商務長官がテレビ番組に出演して、米兵は一人も死んでいないと説明し、トランプ氏もそれを後にSNSで支持。だが、ペンタゴンの発表では、米軍兵士が18人死亡、800人以上が負傷しているのである。
ビジネスマン時代の誇張癖についてはPBSニュースが「いかにしてビジネスマン時代のトランプは自身のブランディングに誇張を利用したか?」という記事を2018年5月に掲載。これによると、50数階建てのトランプタワーを68階建てとして売り出した。他のビルよりも高いように見せかけるとともに、上層階の購入者に優越感をもたらそうとしたのだろう。
プロフィールを含め何かと「数字」を駆使する人は胡散臭く思われる恐れがあるので、その点は理解した上で、取り扱いをお願いしたい。



