自己紹介文が“数字ばかり”だとむしろ胡散臭さが増すことも…数字を駆使する人が陥りがちな“自己アピール”の落とし穴
SNS全盛の現代、大切になってくるのが、そこに掲載する自己紹介文である。自らがどんな人間であるかを知らせるべく、凝ったプロフィールを作る人々が増えている。が、作成にあたり、注意していただきたいことがある。それは「数字を入れ過ぎない」ということだ。というのも、数字を入れ過ぎると、自分を大きく見せようとしているのではないか、と読み手に感じられてしまうからだ。例えば、こんなプロフィールを見たことはないだろうか。【中川淳一郎/ネットニュース編集者】
自信がある人ほど短い
〈大学進学のため上京後大手旅行代理店入社。国内旅行担当として15年間で全47都道府県938の市区町村を訪問。2015年(株)地方創生ドバーン社設立。その後は11年間で713の市区町村を訪問し、講演回数は511回、ヒアリングした人数は約2万3000人。地方の魅力を発信するnoteの累計PV数は114万2000。コンサルをした自治体数は145件で、ほぼすべてで観光客数・移住者数が増加(平均14.3%=当社調べ)。お客様の満足度は97.8%。単著は6冊、共著は2冊、監修は1冊〉
あくまで仮のプロフィールだが、これらの数字が事実だとして、この「地方創生のプロ」は、数字が多ければ多いほど実績をアピールできて信頼感が高まると考えている節が窺える。だが、正直、本当の売れっ子は数字を出さなくても信頼されるものなのだ。堀江貴文氏のXなど、有料メルマガへの誘導だけである。さらに、タレントの有吉弘行氏の場合はこうだ。
〈穏やかに。。。〉
ここには「余計な数字入れて私自身を説明する必要はない」という自信と「皆さん、私が何者かよく分かっていますよね」という心の声が込められているのだ。地方創生のプロ氏にしても、これだけの実績があるのだからこんな感じでも十分ではなかろうか。
〈(株)地方創生ドバーン社代表。この26年間、日本全国飛び回って地元の人々の声を傾聴し、各地の課題を把握・分析し、観光客・移住者増加施策の提案をしています。コンサル・講演・執筆・リサーチなどなど地方創生のことであればなんでもお任せあれ。日本の発展は地方が担っている! 皆さんの街が持つ財産を一緒に見つけていきましょう。著書に『地方発・関係人口激増プラン』(〇〇社)など〉
「数字は嘘をつかないが、詐欺師は数字を使う」という言葉もあるように、人は説得力を持たせるために数字を盛り込もうとする。上記「コンサルをした自治体数は145件」ということについても、一体「コンサル」のレベルがどの程度かよく分からないのである。長期間にわたって当地を訪れ、地元の観光協会とともに1年間かけて共同作業をした、というのであれば立派に「コンサル」である。だが、この手の数字が好きな人は雑談をしただけであっても「1件」とカウントしてしまうことがある。それだけ数字で大きく見せようとするのである。
「地方創生のコンサルを145件も手掛け、観光客数・移住者数を14.3%増やした先生を呼びました!」なんて、この数字を過大評価する観光課課長補佐代理のような人物もいるので、効果はあるのかもしれない。ただ、「数字を前面に出す人物は信用ならない」と考える人も一定数は存在するため、胡散臭い人物だと思われてしまう恐れはある。
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