男子マラソンで人類初“2時間切り”の衝撃…アディダス担当者が明かす「最強シューズ」の真髄 「驚異的な軽さを実現した一方で、履きこなすには高い走力が求められるシューズです」

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走力や目的にあったシューズ選びが大切

 世界記録を奪還して勢いに乗るアディダス社は昨年4月に「EVO 2」を、そして今年の4月には「カイトやサーフィンに使われる帆から着想を得た」という新素材を取り入れた「EVO 3」を発表。ケニアで練習を重ねるサウェ選手のフィードバックも反映された最新シューズは、クッション性を維持しつつも、片足の平均重量は97g(27センチの場合)にまで削ぎ落とされるなど、レース時のパフォーマンスが最大限に発揮できるような工夫が随所に施されている。

「とにかく薄くて軽いので、体幹、脚力、そしてバランス能力を備えていないと、正直に言って履きこなすことが難しいシューズです。世界記録を目指すレベル、または駅伝で優勝を目指すような選手の皆さんに履いていただけたら…」とEVO 3の特長を評する太田氏は、シューズに対するこだわりや選び方についてこう続けた。

「私たちのシューズは、すべてのランナーが自身の目標に到達するための“相棒”でもあります。トップ選手に憧れる気持ちは十分に理解できますが、まずは自分の走力や目的に合ったシューズを選ぶことが何よりも大切だと思っているので、例えばスポーツ用品店のスタッフさんに意見を仰いでみたり、何らかの客観的な目線を取り入れたりして、大切なレースに臨む一足を探してみてほしいです」

世界記録よりもインパクト大 箱根駅伝の活躍

 とは言うものの、人類初のフルマラソンサブ2達成が世間に与えたインパクトは相当なものだったそう。

 アディダス社が「積極的に投資をする必要があり、伸ばしていかなければいけないカテゴリでもあり、勝たなければいけないスポーツ」(太田氏)と位置付けるランニング市場においても、世界記録の更新をきっかけに売り上げは増加傾向とのこと。

 だが、世界記録の更新と並んで多くの市民ランナーを釘付けにし、シューズの購入意欲を掻き立てる動機になるのが、10月の出雲駅伝で幕を開ける大学駅伝に挑む選手たちの姿だ。

 特に正月の風物詩となった箱根駅伝はその影響が顕著で、2024年1月に行われた第100回大会では、「EVO 1」を着用してレースに臨んだ青山学院大学の黒田朝日選手と太田蒼生選手(いずれも現、GMO)が区間賞の活躍でチームを総合優勝に導くと、それがシューズの勢力図を変えるきっかけに。

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