トランプ氏に「習近平氏を厚遇しすぎ」の批判も…支持率回復狙いの米中首脳会談は不発、中間選挙戦略に疑問の声で深まる「共和党の苦境」
トランプ氏と距離を置く共和党候補
トランプ氏の言動に対する疑念は日を追うごとに強まっている感が強い。
CNN(日本語版)は21日、「中間選挙を目前にひたすら奇妙な言動を重ねていくトランプ氏」と題する分析記事を翻訳掲載した。中間選挙を控え、有権者が指導者としての安定性に疑念を抱いている状況であるにもかかわらず、トランプ氏は奇妙な言動をエスカレートさせているという見立てだ。
さすがにまずいと思ったからだろうか、共和党候補の間でトランプ氏と距離を置こうとする動きが目立ち始めている。
ワシントン・ポストは16日、中間選挙の候補者のSNS投稿を分析した結果、共和党候補による9月1~14日の投稿のうち、トランプ氏に言及したものは9%と報じた。これに対し、トランプ氏に言及した民主党候補の投稿は20%だった。民主党候補にとって、トランプ氏は格好の批判対象になっているからだ。
日本のメディアに「トランプ隠し」とも報じられたこの現象は、共和党の指導部にも広がっている。
Forbesは23日、共和党上院トップのスーン院内総務が共和党候補者に対し、独自の選挙運動を展開して自分らしさを貫くように促したと報じた。スーン氏の発言は、複数の共和党議員がイランとの戦争終結を求めている中で出たものだという。
トランプ氏からの支持が選挙の勝利につながると長年信じられてきたが、足元の状況は様変わりだ。不敗神話が失効すれば、トランプ氏の求心力が一気に低下することは避けられないだろう。
注目すべきは下院ではなく上院か
注目すべきは、共和党内からもトランプ氏の利益相反を糾弾する声が出ていることだ。
共和党のカーティス上院議員はこのほど司法委員会に書簡を提出し、大統領の家族がその在任中に利益を得ているかどうかについての調査を求めた。大統領の一族が立場を悪用しているとの印象は政府への信頼を損なうというのがその理由だ。同議員はトランプ氏の長男ドナルド・トランプJr.氏と、バイデン前大統領の息子ハンター・バイデン氏を召喚しての証言を促している。
これを受けてグラスリー司法委員長は、調査の可否の決定は中間選挙後になるとの見通しを示した。中間選挙で民主党が上院で多数派となれば、この調査が開始され、トランプ一族の利益相反ぶりが明るみに出る可能性は十分にある。
トランプ氏は下院での弾劾訴追を恐れているが、筆者の頭には、この調査の内容次第で上院における事実上の“有罪判決”となるのではないかとの不安がよぎる。そのような事態となれば、米国の政情が大混乱に陥るのは必至だ。
日本の唯一の同盟国である米国の動向について、引き続き高い関心を持って注視すべきだ。
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