専門学校で投手転向、カナダの名門大に留学、韓国球界で覚醒…スカウトが追う“異色ルート”のドラフト候補
10月22日に行われるプロ野球ドラフト会議。毎年、甲子園で活躍した高校生や大学球界のスターが注目を集める一方で、意外な経歴からプロへの扉を開こうとしている選手もいる。【西尾典文/野球ライター】
まだまだ良くなる
高校時代は控えの内野手だった選手が専門学校で投手に転向し、最速150キロをマーク。高校からカナダへ渡った大型右腕、さらに独立リーグを経て韓国プロ野球で活躍する投手も、NPB球団のチェックを受けている。
アマチュア球界の“王道”とは違うルートを歩みながら、ドラフト候補に浮上した3人を紹介したい。
その筆頭が今井惺也(ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校)である。
ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校は、その名の通り柔道整復師やスポーツトレーナーを養成する専門学校だが、野球選手の育成にも力を入れており、西口直人(楽天)ら過去に4人のNPB選手を輩出している。西口が在籍していた当時は甲賀健康医療専門学校という名称で、現在の校名となったのは2019年。専門学校ながら日本野球連盟(JABA)に加盟し、社会人野球と同じカテゴリーで活動している。
今井は大阪産業大付時代、控えの内野手で、プロのスカウトが注目するような存在ではなかった。ところが専門学校進学後、肩の強さを生かして投手へ転向すると才能が開花。ストレートは150キロを超えるまでにスピードアップし、NPBのスカウトが続々と視察に訪れるようになった。
筆者が実際に投球を確認したのは、9月18日に行われた社会人野球日本選手権近畿地区最終予選の履正社スポーツ専門学校戦。2番手で登板すると、6回を3安打無失点、4奪三振と好投した。筆者のスピードガンでは最速150キロをマークし、前評判通りの球威を披露した。
今井を視察したNPBのスカウトはこう話す。
「投手歴が浅いので課題はありますが、力まずに投げて150キロ近いスピードが出るのは魅力ですね。ストライクをとるのに苦労しないだけのコントロールもある。しっかり鍛えていけば、まだまだ良くなると思います」(近畿地区担当スカウト)
日本野球連盟に加盟する企業チームの選手について、NPB球団はJABAからの申し入れを踏まえ、原則として育成ドラフトでの指名を行っていない。一方、専門学校の選手は育成ドラフトでの指名が可能で、今井自身も育成指名なら入団する意向だという。現在の校名となってから初のNPB入りにも期待がかかる。
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