MLB「パドレス」を6240億円で買収したド派手な“オーナー夫妻” 引退報道に揺れる「ダルビッシュ有(40)」への影響は
新オーナーの心意気
筆頭オーナーとなるフェリシアーノ氏だが、会見から「強い個性」を見せていた。まず、会見場にホテルなどではなく、パドレスの本拠地「ペトコ・パーク」のインタビュールームを選んでいる。サンディエゴのファンはこれにも好感を抱いた。会見のスタートは音楽で始まった。
<You know we’re all in、you know we’re all in、you know we’re all in>
<We’re gonna win、we’re gonna win、we’re gonna win>
<私たちが本気で取り組んでいるって分かっているよね。私たちは勝つ、勝つ、勝つ>
およそ4分間、音楽が流された後、オーナー夫妻がラフな服装で登場した。司会者がジョーンズ夫人の作詞であることを紹介し、彼女は「バックコーラスに誘われて、ちょっとだけ参加した」と言って笑いを誘った。さらに、フェリシアーノ氏もレコーディング中にコーラス参加の誘いを受けた経緯が明かされた。すると、フェリシアーノ氏は同名の歌手であるホセ・フェリシアーノのことを引き合いにし、「私が持っている音楽の才能は名前だけだ」とジョークを飛ばした。会見は終始、和やかなムードで行われていたようだ。同会見場にいた現地記者がこう続ける。
「フェリシアーノ氏も写真撮影の際、21の背番号が入ったユニフォームを羽織りました。理由を聞いたら、『ロベルト・クレメンテに敬意を表して』と答えていました。クレメンテはヒスパニック系選手の先駆者的存在で、攻守にわたって偉大な成績を残しています。しかし、パドレスに在籍したことはありません。同じナ・リーグでも、中地区のピッツバーグ・パイレーツ一筋でした。でも、往年のヒスパニック系選手の名前を出したので、サンディエゴの市民を喜ばせたというか、彼らの気持ちをしっかりと掴んだと思いました」
約40分間の会見では「勝つ」「このチームは諦めない。過小評価されているんじゃないか」などの意気込みが語られた。ただ、具体的な補強案や強化策はゼネラルマネージャーの職域だからか、語られなかった。
オーナーは選手とフロントが働きやすい環境を作るのが仕事だ。そのためには巨額の投資が必要だが、ジョーンズ夫人はかつて母校のプリンストン大学に同大学史上最高額となる寄付も行っている。その金額は公表されなかったが、その後、「クワンザ・ジョーンズ学生寮」が建設された。名前を冠した学校施設が増設されたくらいだから、「新オーナー夫妻はカネを惜しまない」とサンディエゴの市民は捉えているそうだ。
新しいチームはどのように……
「フェリシアーノ夫妻はサッカーのプレミアリーグ・チェルシーの共同オーナーでもあります。夫妻がクラブ経営に参加した22年、5億ユーロ(約600億円)の補強費を注ぎ込んでいます。フェリシアーノ夫妻のメジャーリーグ球団経営の参入は、オフの労使協定にも大きな影響を与えるでしょう。年俸総額に上限を定めるサラリーキャップ制度の導入に反対してくると予想されています」(前出・米国人ライター)
パドレスは投手力が充実したチームであり、マニー・マチャド(34)やザンダー・ボガーツ(33)など、30代半ばが多くなった内野陣の若返りと、打線の強化が課題だ。
「外部からの大量なチーム補強と、契約途中のレギュラー選手たちのトレード放出もあり得ない話ではありません」(前出・現地記者)
ダルビッシュは23年2月に6年1億800万ドル(約151億円/レートは当時)の大型契約を結んでおり、28年の42歳のシーズンまで野球を続けることができる。「30代後半の投手に長期契約を提示した前オーナー体制への批判もないわけではない」との声も聞かれたが、サンディエゴの町を調べ尽くした新オーナー夫妻は、彼がチームの精神的支柱でもあることを把握しているのだろうか。
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