広島・辰見鴻之介“代走での盗塁記録を更新”がスゴすぎる理由 陸上100メートルの日本記録保持者でも通用しなかった盗塁の奥深い世界
プロ野球シーズンも終盤になると、さまざまな「記録」に関心が集まります。打率、本塁打、安打、勝利数、セーブ数……その中で「足のスペシャリスト」として注目される「盗塁」も欠かせません。今年は極めて特異な盗塁の記録が塗り替えられたそうです。東海ラジオで35年間、プロや野球実況を務めた村上和宏さんが解説してくれます。
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「代走で…」シーズン最多記録更新
9月15日、神宮球場で行われたヤクルト―広島戦で、広島の内野手・辰見鴻之介(25)が9回、佐藤啓介(25)の代走で出場し、今シーズン26個目の盗塁を決め、「代走」でのシーズン最多盗塁記録を47年ぶりに塗り替えました(代走以外に盗塁が1あり、盗塁数は27個)。
辰見は2022年ドラフトで育成1位で楽天に指名され、23年に支配下登録。この年は1軍の試合に出場することはできませんでしたが、翌24年に1軍デビュー。しかし出場はわずか2試合にとどまり、同年オフに戦力外通告を受け、育成として再契約しました。
25年は支配下登録の期限である7月31日、再び支配下登録されましたが、1軍での出場はありませんでした。一方、ファームでは88試合に出場し、31盗塁をマークしてイースタン・リーグの最多盗塁者賞を受賞しました。その後楽天と契約更改しましたが、12月9日に行われた現役ドラフトで、広島への移籍が決まりました。
この移籍が辰見にとって、プロ野球選手としての大きな転換点となったのです。
今シーズンは自身初の開幕1軍入りを果たし、4月4日の阪神戦で代走として出場すると、プロ初盗塁をマーク(プロ野球は、1軍での数字しか記録として残りません)。5月にはプロ初安打を記録するなど、順調に1軍で成績を上げていきました。
6月20日のヤクルト戦で代走として出場し、今シーズン16個目の盗塁を決めた際に左ひざを強打してそのまま交代となりました。診断は「左膝内側側副靱帯損傷」で6月23日に登録抹消となりましたが、大事には至らず7月3日に再び1軍登録されました。
そこから再び「足のスペシャリスト」として代走で起用され続け、今回の記録樹立に至りました。
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