最初に鑑賞したのは“元総理と孫”だった…「まんが日本昔ばなし」放送開始50周年、知られざる“映画版”に選ばれた“キツネが登場するお話”とは
10周年記念で映画化された、あの名作!
以降はレギュラー放送され、1400話以上の日本の昔話をアニメとして紹介して来た。1980年10月4日には、最高視聴率39.8%を達成(関西地区。内容は「縁持ち狸」「あずき峠」)。初回から10周年を記念した1985年には映画も製作。演目は王道の「ごんぎつね」で、劇場にはかけず、地方のホールを借りて巡回する上映方式だったことも、まさに家庭で母と子に愛されたフォーマットであることを物語っていた。1991年には放送800回を記念し、京都の祐月苑から「花咲かじいさん」「鶴の恩返し」をそれぞれイメージした着物が発売されている。
しかし、1994年に全国ネットかつゴールデンタイムでの放送は終了。そもそも、土曜の夜と言えば視聴率争い的には激戦区。裏では前年から開始の「Jリーグ中継」や「たけし・逸見の平成教育委員会」(フジ)、そして、同じアニメながらヒロイン戦隊ものの「美少女戦士セーラームーン」(テレビ朝日)が放映されており、時代の流れを感じさせた。2003年には全てのローカル局での放映(素材は再放送)が終了した。
ところが、2年後の2005年になると、内容は再放送ながら、ゴールデンタイムのレギュラー番組として復活(毎週水曜日午後6時55分より30分)。これまた、30年前の初期放送同様、「子供と安心して見られるアニメが欲しい」という声が多く上がったためだった。プラスして、こんなコメントも、多数見られたという。
「昔、母親が見せてくれたように、今度は自分が子供に見せたい」
ゴールデンでの再放送は半年間の予定が、好評につき1年間に延長。さらに2011年には待望のDVD化となり、2カ月で24万枚を売り上げる超ビッグヒット作となった。現在でも特番やCS放送の類いで、繰り返し放映されている。
なお、基本は30年以上前のアニメながら、今でも映像が引き立ち奇麗なのは、後のブラッシュアップもあるが、実は最初から画質の良い映画用の35ミリのフィルムで撮っていたからというのが大きい。まさに前出の川内の理念にもあった、「後世に残す意義」を番組にたずさわったスタッフがわかっていたのだ。
また、長期にわたるコンテンツゆえ、多数の演出家に声をかけており、内容もその裁量に任されていた。よって、時には切り絵だったり、版画を用いたりの作品もあり、大きく言えば、現在のアート・アニメの先駆けともなっている。
※1:8月5日~9日。渋谷「CBGK シブゲキ!!」にて。出演は藤原紀香ほか。
※2:「麻布台ヒルズギャラリースペース」にて、10月25日まで開催。
【後編は「“山んば”は『孤独を知っているから優しいのね』…放送開始50年『まんが日本昔ばなし』秘話 市原悦子が語っていた“めでたしめでたしで終わる話ばかりではない”昔ばなしの魅力」】
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