ヤクザに憧れ“組長の追っかけYouTuber”をやっていたら「山口組系組長と一緒に逮捕されてしまった」58歳契約社員男性の嘆き

国内 社会

  • ブックマーク

 留置場から出てきたばかりの白髪混じりの男性は、やつれた表情でこう言った。「しばらくYouTubeはいいです…」。彼はヤクザ界隈では知られた人気YouTuberだった。しかし、ヤクザに近づき過ぎたことが原因でトラブルに巻き込まれ、窮地に陥ってしまったのである。(前後編の前編)

 ***

大手メーカーの工場に期間工として勤務する”激レアさん”

 記者がひろクン(58)を名乗るYouTuberに初めて会ったのは2年前のこと。ひろクンはまさに“激レアさん”だった。関東圏にある大手メーカーの工場で期間工として働きながら、「ヤクザの追っかけYouTuberをしている」と話すのだ。

 休みになると電車を乗り継ぎ、神戸や名古屋まで出向き、大物親分を組事務所や新幹線の改札口などで待ち伏せる。寒空の下、数時間張り込むことも。そして、親分がボディガードを引き連れて現れるとカメラを回す。

 話しかけはしない。少し離れたところから車に乗り込むまでの様子を撮るだけだ。配信される動画のほとんどは十秒程度の短いものだが、このシンプルなコンテンツがヤクザウォッチャーには人気なのである。

 最もバズった〈六代目山口組 高山清司若頭 出所後品川駅新幹線ホームにて〉の再生数は1613万回にも達する。

 ひろクンはYouTube活動について「趣味です」と語っていた。

遠くから見ているだけでいいんです

「ショート動画はワンクリックが0.01円の収益しかならないので、そんなに儲かりません。1回だけ月の収入が50万円を超えたことがありましたが、ほとんどは月数万円程度。移動費・宿泊費・飲み代で消えてしまいます」

 50代半ばで独身。ひろクン自身はまったくヤクザぶったところはない。話し方も丁寧で礼儀正しく、身なりも至って普通だ。なぜそんなにヤクザが好きなのか。

「生き様に男らしさを感じるんです」

 ただ、ヤクザになりたいわけではないと言う。

「遠くから見ているだけでいいんです。憧れなんで」

 こう真顔で話すのである。心の底からヤクザの追っかけに生きがいを感じている様子だった。

 だが、久しぶりに会ったひろクンは追い詰められていた。暗い表情でこう語った。

「もうしばらくYouTubeはいいです。アカウントを消しはしないが、しばらくは触りません」

次ページ:組長から盃をもらった?

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。