CIA長官が「ロシアはこの戦争に勝てない」と通告…プーチン大統領に突き付けられる“正確な戦況” それでも下院選後には「最大50万人」動員の地獄絵図

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消えた「戦場の霧」

「ロシア軍は大量の榴弾砲で猛爆を行い、ウクライナ軍にダメージを与えました。そして囚人兵や傭兵に人命無視の突撃を命じ、夥しい戦死者を出しながら占領地域を増やしていきます。今年の6月までは『ウクライナ軍は苦戦している』との報道が多かったのですが、7月になると急に変わりました。戦況を一変させたのが、ウクライナ軍のドローン部隊です」(同・軍事ジャーナリスト)

『戦争論』で知られる軍事学者カール・フォン・クラウゼヴィッツ(1780〜1831)は「戦場の霧」という概念を提示し、その“慧眼”が今も高く評価されている。

「戦場では偵察が非常に困難であり、指揮官は充分な情報を得て命令を下すことが難しいことにクラウゼヴィッツは注目し、それを『戦場の霧』と名づけました。科学技術が大幅に進歩した時代のベトナム戦争や湾岸戦争でさえ霧は存在しました。ところがウクライナの最前線では戦史上初めて霧が晴れたのです。高解像度のカメラを搭載した偵察型ドローンが開発され、ウクライナ軍はロシア軍の布陣を正確に把握できるようになりました」(同・軍事ジャーナリスト)

 もちろんロシア軍は戦車や榴弾砲を隠したり、草木で偽装したりしている。

月3万人の戦死傷者

 だがドローンが撮影した映像データをAIが解析し、人間より正確に発見してしまう。破壊作戦もAIが提案し、攻撃型ドローンが戦車や榴弾砲を効率よく爆撃していく。

「火力を失ったロシア軍は、それでも囚人兵や傭兵に突撃を命じます。援護の砲撃がない上に、非常に練度の低い兵士が攻撃型ドローンに立ち向かえるはずもありません。少数のロシア兵がウクライナ側の陣地にたどり着いても地雷原でさらに犠牲が増え、最後は堅牢な要塞に阻まれて戦死か負傷です。NATOは『ロシア軍は月に約3万人の戦死傷者を出しながら、約114平方キロメートルしか前進できていない』と分析しています。ちなみに114平方キロメートルといえば、東京都の町田市を一回り大きくしたぐらいの面積です」(同・軍事ジャーナリスト)

 プーチン大統領は戦局を打開するため、9月下旬の下院選挙が終わると、30万人から50万人を動員する可能性が指摘されている。その中には北朝鮮の正規兵も含まれるとの分析もある。

 だが、いくら兵士の数を増やしても、ウクライナ軍のドローン部隊に撃退されるだけだろう。さらに最前線の囚人兵や傭兵だけでなく、内地のロシア国民も苦しい生活を強いられて不思議はないという。

 注目点は冬の寒さとウクライナの中・長距離ドローンだ。

 後編【プーチン大統領を襲う“ウクライナ侵攻から5度目の冬”…“燃料枯渇”がもたらす厭戦気分と、“兵站崩壊”が招く士気衰退 「敵前逃亡する兵士が続出しても不思議はない」】では、厳冬に悩まされるロシア国民と軍をエネルギー不足が直撃する“悪夢”についてお伝えする──。

註:C.I.A. Chief Delivered Bleak Assessment of Russia’s War in Secretive Moscow Visit John Ratcliffe’s meeting this week with a Russian intelligence chief was aimed at pushing the Kremlin to pursue a peace deal with Ukraine.(ニューヨーク・タイムズ電子版:8月24日)

デイリー新潮編集部

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