「年収800万の“普通”の男性でいいのに…」婚活に苦戦する30歳女性 手放すべき“幻想”と“解決策”をFPが解説

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【FPの助言2】「1人で1000万円」より「2人で500万円ずつ」が年間51万円も手取りが多い

 上原さんは、別の面からも、ひよりさんに共働きを目指すよう説く。

「日本は、稼ぐほど税率が上がる累進課税制度が、世帯ではなく個人に適用されます。そのため、夫が1人で年収1000万円を稼ぐ世帯と、夫婦それぞれが年収500万円ずつ稼いで世帯年収1000万円にしている家庭では、課される税率が異なるのです。そのため、手取り額でも大きな差が生まれます」

 上原さんの試算によると、夫が一人で1000万円を稼いだ場合、年間の手取り額は約725万円になる。一方、夫婦2人で500万円ずつ稼ぐ場合、世帯合計の手取り額は約776万円になる。共働き家庭のほうが、年間で約51万円、月額にして4万円以上も手取りが多くなるのだ。

 共働きによるメリットは、毎月の手取り額の差だけに留まらない。夫の収入にのみ依存している家庭で、その夫が病気や会社の倒産で働けなくなったりすれば、その瞬間に世帯収入は、傷病手当金や失業手当頼みになってしまう。しかし、夫婦それぞれが自立して稼いでいれば、どちらか一方が倒れても世帯収入が完全に途絶えることはない。妻自身が経済的な自立を保ち、キャリアを継続できること自体が、変化の激しい現代を生き抜くための最強の保険になるのだ。

 上原さんは、婚活に行き詰まるひよりさんのような女性たちに向けて、発想の転換を促す。

「婚活で望ましい相手の年収を考えるときは、『自分自身の収入と、相手の収入を合わせていくらにできるか』という世帯年収の視点を持つことが何よりも大切です。もし自分が年収350万円を稼ぎ続けられるなら、相手の男性は年収450万~500万円前後という、ごく平均的な同世代の年収で十分に目標の800万円台に到達できます。平均的な給与水準の男性なら、婚活市場には数多く存在しており、マッチングの確率は一気に上がるかもしれません」

「ハイスペック男性に養ってもらいたい」という幻想を手放し、自らも社会と繋がりながら、パートナーとともに「2人で1000万円」を目指していく。そんな2人でリスクを分け合うチームづくりをめざすことこそが、30代の女性が幸せな結婚を掴み取るための近道と言えるだろう。

※プライバシー保護のため、記事で紹介する事例は、具体的な状況の一部を変更しています。

今回のアドバイザー/上原千華子さん
金融教育家/ファイナンシャル・セラピスト。欧米投資銀行勤務歴17年、個人投資家歴25年以上。AFP、証券外務員一種、NLP(実践心理学)マネークリニック(R)認定トレーナー。2018年、ウェルス・マインド・アプローチ創業。資産運用講座を実施し、2022年より「3ヶ月マネー実践講座」を提供開始。心理学を取り入れたライフプランと資産運用をアドバイスしている。現在は企業・大学でも登壇し、延べ5000名以上に金融教育を届けている。著書に『「お金の不安」をやわらげる科学的な方法 ファイナンシャル・セラピー』(日本能率協会マネジメントセンター)。

取材・文/鷺島鈴香

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