「東海道新幹線」に「アニメ」「アイドル」ファンが殺到…「JR東海」担当者が明かす「推し旅」が活況の理由 当初は「社内でも“異色の部署”というイメージでした(笑)」
涼宮ハルヒがJR東海の制服を着用
――「涼宮ハルヒの憂鬱」の「推し旅」は、アニメの舞台になった西宮市内の施設ともコラボしていますね。
牛田:「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」を選定している「アニメツーリズム協会」さんと連携していることも、大きいと思います。協会さんには西宮市(注:作品の舞台・聖地になっている施設がたくさんある)の施設の調整を担当していただけたため、内容の充実を図ることができたと思います。
現地ではARフォトが楽しめるなど、様々なコンテンツを用意しています。旅の全体を通して、作品の世界観に浸っていただけると思います。
――先ほど話に出たボイスドラマが谷川先生の書き下ろしであるだけでなく、キャンペーンのイラストも原作小説の挿絵や表紙絵を手掛けたいとうのいぢ先生の描き下ろしです。こういったキャンペーンでは既存のイラストを使うケースが多いなかで、描き下ろしの絵を使っているのはかなり贅沢だと感じます。涼宮ハルヒが御社の制服を着ているのも、とても魅力的ですね。
牛田:そこに注目していただけるのはありがたいですね。ボイスドラマもオリジナルで、イラストも描き下ろしていただいているので、企画を進めるうえで時間もかかっています。しかしながら、そこはファンのみなさんに喜んでいただくために、徹底してこだわっている部分でもあります。
せっかく作品と鉄道会社がコラボしているのですから、キャラクターにも制服などの珍しいコスチュームを着てもらいたいという思いがあります。この点も、好意的に受け止めていただけていますね。グッズにある、切符を模したカードも好評です。
――「推し旅」の企画を作るときは、どのように考えているのでしょうか。
牛田:私は「涼宮ハルヒの憂鬱」という作品自体、世代的にもど真ん中なので、好きなのです(笑)。ただ、好きという気持ちだけで走ってしまうと、取り上げる作品が偏ってしまいますから、アンケートなどを通じて、お客様のニーズを汲み取ったうえで企画を作っています。
異色の部署だったが……
――牛田さんはまったく違う部署から志願して、「推し旅」の担当になったそうですね。
牛田:はい。まったく違う部署にいたのですが、ぜひやりたいと声を上げたんですよ。ちなみに、「推し旅」が始まった頃は、社内でも“異色の部署”というイメージがありました。ネットでの反応もそんな感じだったと思いますが、今ではかなり定着した印象を受けます。
ちょうど、コロナ禍から社会が立ち直ってきたタイミングで推し活が盛り上がってきたと思いますが、その時期に上手く始めることができたのも良かったですね。そして、ファンの方から熱烈な支持をいただけたからこそ、継続できていると思います。
――ちなみに、「推し旅」の企画は、年間どのくらいの数を実施しているのでしょうか。
牛田:一昨年は約100件、去年は約150件くらいでしょうか。
――そんなに多いんですか!
牛田:開始から5年近く経ったことで業界内でも知名度が上がってきていますし、当社の社長も推し旅について、様々な場面で言及してくれるようになりました。ありがたいことに、「うちとコラボしてほしい」とお声がけをいただくこともあります。
これからも、「推し旅」はファンの方に喜んでいただくことを大前提とした企画を続けていきたいですね。私も志願して担当になっているくらいですから、そこは力を入れていきたいなと思っています。






