「学歴イジり」は本当にエンタメなのか 福島大を侮辱「wakatte.TV」炎上で見えた“もう一つの顔”と“受け入れた人たち”

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吉村知事との蜜月

 それでもwakatte.TVは軌道修正しなかった。撮影に協力する高校、大学が次々と現れたことも一因に違いない。受験の参考になる動画として教育界から認知されたわけである。高学歴でない人を見下すところは不問に付された。

 近畿大学は2人が取材に訪れると、医学博士でもある松村到学長が案内役を務めたほどだった。2022年、大阪府立大と大阪市立大の統合によって生まれた大阪公立大を案内したのは吉村洋文・同府知事(51)である。2025年11月の動画だった。

 3人は同年9月に開設された森之宮キャンパスを巡った。映像のタイトルは「【吉村知事参戦!】未来すぎ!大阪公立大学・森之宮キャンパスがヤバいレベルで進化中だった!」。

 一方、福島大の動画のタイトルは「【入試ラクすぎ?】国公立最下位!?震災復興・放射線研究から驚きの入試事情まで!福島大学キャンパス調査!」。両者の扱いには開きが見られた。ちなみに河合塾の2027年度の入試難易予想ランキングを見る限り、同大が国公立大学の最下位というわけでは決してない。

 吉村氏との映像は今年8月にも公開された。大学ではなく、高校である。タイトルは「【レベル高すぎない?】大阪No.1公立天王寺高校に吉村知事と潜入!公立高校改革の現場のリアルに迫る!」である。

 高田氏が吉村氏と高校の視察をしたいと思い、連絡したという。近大の松村学長や吉村氏を伴っているときの高田氏は辛辣な発言をしていない。

 今やYouTubeはテレビと同じく、子供も含めて誰もが観られる環境にある。それなのにテレビ並みの倫理規定がない。厳しくなっているものの、影響力に規制が追いついていない。

 SNS上でのwakatte.TVへの怨嗟の声が続いている。一部視聴者の不満や怒りは福島大問題の前からシャボン玉のように膨らみ、いつ割れても不思議ではない状態になっていたように思う。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社。放送担当記者・専門委員として、1994年のNHK連続テレビ小説「春よ、来い」のヒロイン途中交代や、1999年のフジテレビ「愛する二人別れる二人」のやらせ問題などを特報する。2015年に毎日新聞出版へ入社し、サンデー毎日編集次長を務める。編集者としては「小池百合子都知事の真実」などを担当した。2019年に独立。元・放送批評懇談会出版編集委員。

デイリー新潮編集部

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