大量の“硬貨”を銀行ATMに詰まらせる人が続出…10円玉と間違えて投入される“海外の硬貨”でも“スロットのコイン”でもない硬貨とは? 「銅製でサイズも10円玉とほぼ一緒」
スロットのメダルを投入
小銭を預ける際のトラブルはまだある。多いのが、“日本の硬貨ではないもの”を入れてしまうパターンである。前出の行員がこう話す。
「最近のATMは性能が上がっており、硬貨ではないものが投入されたら、すぐに返却される作りになっています。ただ、外国の硬貨やスロットのメダルを入れてしまったせいで、ATMが止まってしまうケースがたまにあります。
何度も入金操作をしても戻ってくるため、お客様が怒り出し、行員にカスハラ行為を働くお客様もいるのです。またご自身が、“硬貨ではないものを入れている”という自覚がないケースが多く、本当に困ってしまいます」
また、トラブルになりやすいのが記念硬貨である。
「最近の記念硬貨は、通常の硬貨と同じサイズで製造されていることが多い。ところが、昭和の時代は額面が500円の記念硬貨でも、通常の500円玉よりも大きく作られていたりします。それをATMに強引に入れようとして、“なぜ、何回やっても戻ってくるんだ”とお怒りになったお客様もいました」
折れ曲がった硬貨も投入厳禁
いやはや、こんなことで苦情を言われては、銀行員もたまったものではない。銀行は「金を預けてやっている」という意識を持つ客が多いため、カスハラが起こりやすいという意見もある。ほかにも、硬貨に関するトラブルではこのようなケースもあるそうだ。
「現行硬貨でも、折れ曲がったり、変形した硬貨はATMで受付できません。あと、意外に多いのが焼かれてしまった硬貨です。地方によっては、火葬の際に“三途の川の渡し銭”として、遺体とともに硬貨を焼く文化が残っているんですよ。
戦前の硬貨を入れてしまう人もいます。大正5年から昭和13年にかけて発行された1銭硬貨(注:コレクターの間では“桐1銭青銅貨”と呼ばれる)は、現行の10円玉とサイズがほとんど変わらないうえ、銅で作られているので色合いもそっくりなんですよ」
この1銭硬貨の直径は23.03mm、現行の10円玉の直径は23.5mmである。大差ないため、かなり紛らわしい。一昔前は機械で10円玉と識別されてしまい、同一硬貨を50枚まとめた“ロール”に混入する事案が多発していたそうだ。今でも10円玉と思われて流通していることがままあるそうで、なかなか厄介な代物だそうである。
紙幣のほうが詰まりやすい?
ところで、硬貨に関するトラブルも多いものの、詰まる頻度でいえば紙幣のほうが高く、トラブルに見舞われやすいそうである。
実は筆者も紙幣を詰まらせてしまい、ATMを長時間停止させてしまったことがある。10枚の1000円札を数えやすいようにと、1枚を折り曲げて、巻いた状態にしていた。これを誤ってそのままATMに入れてしまったところ、ATMが異音を発して止まってしまった。復旧には30分ほどかかり、銀行には多大な迷惑をかけた。行員がこう話す。
「それはよくあるケースですし、紙幣をクリップや輪ゴムで止めたまま入れてしまうお客様もいます。ほかにも、濡れている紙幣を入れてしまい、ATMの中でぐちゃぐちゃになってしまったケースもあります。実は、ATMは繊細な機械で、下手すると壊れてしまうこともあるので注意が必要です。
こうしたトラブルを防ぐためにも、硬貨も、紙幣も、ATMに入れる前に確認してほしいですね。くれぐれも、小銭を大量に投入したり、ポケットの中でしわしわになった紙幣をそのまま入れないでいただければと思います」
小さな心がけで、トラブルを回避することができる。機械に対しても心遣いが大切、といったところだろう。
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