「良い時も悪い時もあるのが夫婦」佳那晃子さんを看取った夫・源高志さんが語る2人の半生 完済した1億超の借金と13年の闘病

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1億7000万円の借金…なぜ離婚しなかったのか

 ところが、その後、独立して立ち上げた源さんの事務所が、関係者の持ち逃げによって巨額の資金を失ってしまう。事務所は経営難に陥り、弁護士をあちこちから借金を重ねることに。弁護士を入れて整理をしたものの、それでもなお1億7000万円ほどの借金が残った。破産も考えたが、夫婦は猛烈に働き、返済に励んだ。源さんは週に4~5本の台本を書き、佳那さんは映画やテレビなどに出演し、10年で借金を完済したという。

 それにしても、なぜ、佳那さんは離婚という選択肢をとらなかったのだろう。

「怒ったことは一度もありませんでした。“馬鹿ねえ”とは言われましたけど……。インタビューに来た記者が、“離婚しないんですか”と聞いたら、“どうしてですか”と聞き返していたくらいです。“良い時も悪い時もあるのが夫婦だと思いますから”と。私にも、“悪いところから借りて右から左にするのではなくて、表に出しましょう”と。破産宣告の話もしましたが、それは嫌だ、とはっきりと言いました。で、“夫婦で返していきましょう”と」

“トイレに行きたい”…くも膜下出血に倒れて

 だが、借金の返済後も、平穏な生活は長くは続かなかった。2006年に佳那さんにネフローゼ症候群の症状が現れ、2012年頃に寛解したものの、2013年に、今度はくも膜下出血に襲われてしまう。

「2013年の1月10日のことでした。夜、家で『報道ステーション』を見ていたんです。すると、一緒にいたかみさんが顔をしかめたように見えた。“どうしたの?”って聞いたら、顔が元に戻ったんですよね。で、“トイレに行きたい”と言ったんですが、今度は自分で立てなくなっている。そこで、肩を貸してトイレに連れていった。そうしたらそのままトイレで倒れこみ、いびきをかき始めたんです。これはまずいなと思って、すぐに救急車を呼びました」

 10時間を超える大手術で一命はとりとめたものの、以後は寝たきりの生活に。食事も排せつも一人ではままならなくなった。それでも懸命のリハビリで一時は車椅子に乗り、補助があれば立ちあがれるまでに回復した。

コロナ禍で面会できず

 だが、突然襲ったコロナ禍がそれを帳消しにする。

「私も面会に行けなくなったのはもちろん、リハビリの先生も入れないようになってしまった。看護士さんが病室に行くのも制限されました。中の様子がわからないようになってしまったんです。その間はボイスレコーダーにメッセージを吹き込んだり、ビデオを撮って友達にDVDに焼いてもらったりして病院の受付に届け、それをかみさんの前で流してもらっていました」

 ようやく佳那さんに面会できたのは、コロナ禍が始まって2年半ほど過ぎた頃だったという。再会した瞬間、驚いた。

「倒れて1~2年目の状態に落ちてしまっていた。名前を呼んでも、まばたきの動きくらいしか反応がなく、下までは伸ばすことが出来るようになっていた左腕も、胸の前で固まるようになってしまっていて…」

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