「上位指名確実は2人だけ」の声も…“ドラフト不作”の今夏、それでも甲子園で光った「3人の実力」

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ショートとして鍛えがいのある素材

 横浜の池田聖摩も強いインパクトを残した。

 熊本県出身で、中学時代にはU-15侍ジャパンに選出。多くの強豪校から誘いを受け、横浜では入学直後からショートのレギュラーに定着した。過去3度出場した甲子園では9試合で7安打、打率.206。全国の舞台では目立った数字を残せずにいた。

 今大会の初戦では沖縄尚学と対戦。昨夏の甲子園優勝に貢献した沖縄尚学・末吉良丞から2安打を放った。

 9回の守備では、三遊間を抜けそうな強烈な打球をスライディングしながら逆シングルで捕球。素早く反転し、一塁へ送球してアウトにした。池田の強肩がよく表れたプレーだった。

「バッティングは春まで体が一塁側に流れるケースが目立ちましたが、だいぶ強く振れるようになりました。速いボールに力負けしなくなったのは成長ですね。守備はとにかく肩が強い。あれだけの肩があれば、多少捕球が不安定でもカバーできます。ショートとして鍛えがいのある素材だと思います」(パ・リーグ球団のベテランスカウト)

 池田は春の選抜の時点からプロ志望を表明している。ショートはプロから需要の高いポジション。今年は大学生、社会人に有力候補が少ない点も追い風となりそうだ。

 高校から直接プロを目指す有力選手が少ない今年。その中で、花咲徳栄・黒川、日南学園・田中、横浜・池田は甲子園でスカウトの目を引くプレーを残した。

 甲子園から去った各球団のスカウト陣。その手元のリストで、3人の名前はどこまで上がったのか。“不作”と言われる年だからこそ、夏に残した一球、一打、一つの守備が、ドラフトで大きな差になる。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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