ドジャース移籍の最強左腕「スクーバル」まもなくFA市場…今オフのMLBを揺るがす「敏腕代理人」が手にする“日本人投手”というカード
複雑な契約内容
厄介なことに、今井とアストロズの契約にはオプトアウトのほかにも「付帯事項」が含まれていた。「アクティブ・ロースターの保証」。つまり、今井は不振がどれほどひどくても、26人のメジャーリーグのベンチ入りメンバーから外すことのできない選手なのだ。リリーフ起用は「苦肉の策」だったのかもしれない。
「今井は3年5400万ドル(約81億円)で契約しました。アストロズとの契約が決まった当初、『契約金の規模が予想よりも少なかった』とも伝えられましたが、5400万ドルの契約により、アストロズは今井の在籍していた埼玉西武ライオンズに997万ドル(約15億8000万円)の譲渡金を支払うことになりました。今井に興味を示していたメジャー球団は他にもありましたが、これがネックとなりました」(前出・同)
アストロズは今井獲得に対し、100億円近い資金を用意しなければならなかった。代理人のボラス氏もこの譲渡金のために、契約の規模が思ったよりも大きくならないことは予想していた。だから、譲渡金の発生しない移籍1年目でのオプトアウト権にこだわったわけだ。
「ダイキン・パークが合わない」という状況も考えると、アストロズも強く引き止めることはしないだろう。ボラス氏も「環境を変えてやれば」「リリーフの適性も」のセールストークを使って、今井の長所をアピールしていくはずだ。
また、ボラス氏が抱える今オフ最強のクライアントであるスクーバルだが、ドジャース移籍後の初登板となった8月4日のカブス戦で6回2失点と好投した。ドジャースを応援する専門メディア「Dodgers Nation」は「トレード期限まで多くの注目を集めた理由を実力で示してくれた」と合格点をつけていた。
「大谷翔平(32)の投手復帰の時期がまだはっきりしません。ドジャースの先発陣はオールスター級ですが、毎年故障者が出て、ベストメンバーを組める期間は僅か。スクーバル側が希望する契約に近い金額でまとまるとの見方が有力です」(前出・米国人ライター)
ドジャースとの27年シーズン以降の契約について、ドジャース専門メディア「Dodger Blue」は米全国紙「USA TODAY」の「スクーバルの移籍第一希望はドジャース」の一報を指して、こう報じていた。
「オフにFAになった場合に契約金額を引き上げるため、ボラス氏がそういう情報を意図的に流している可能性もある」
アスレチックスは移転できるのか?
ボラス氏が今オフ、ある球団の将来を変える“危険性”を含んでいることも現地では話題になっている。
「28年以降のラスベガス移転を決めているアスレチックスですが、昨季までの4年間で連続勝率5割未満です。再建期というよりも低迷期にあり、若い好選手が出現しても経営難でトレード放出せざるを得ない苦しい状況です。移転後、ラスベガスの市民に応援してもらえるかどうかも懸念されています。そんなチームにあって、期待の星とされているのが内野手のニック・カーツ(23)と捕手のシェイ・ランゲリアーズ(28)です。この2人の成長がラスベガス移転の運命の鍵を握っていますが、実は2人とも、代理人がボラス氏なんです」(前出・同)
移転前に若きスター候補が移籍してしまうかもしれない。メジャーリーグでは年俸の5パーセントが代理人の相場とされているが、ボラス氏は敏腕なので「少し高め」だという。このオフにどれだけの大金を動かすのか。やはり、ボラス氏の動向は新・労使協定の行方以上に注目だ。
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