“体験格差”で負けたくない――学童に預けっぱなしへの罪悪感から共働き夫婦が「夏休みの体験プログラム」に投じた15万円【FPが助言】
(1)公的機関や自治体の無料・格安イベントを使い倒す
博物館、図書館、美術館などでは、無料~数百円の上質なワークショップや見学会が数多く開催されており、科学館の実験教室、工作イベント、地域の天文台での観望会などさまざまなものがある。アウトドア・スポーツ系の子ども向けに、「青少年育成地区委員会」といった名称のボランティア団体と連携してキャンプやスポーツ大会を実施している自治体も多い。施設や自治体の広報誌やウェブサイトをチェックする価値は大きい。「子ども自身が興味を持つ内容のものをリサーチするといいですね」
(2)「日常のお手伝い」を体験イベント化する
わざわざ遠出をしなくても、家庭内での「料理」「掃除」「近所の公園での植物・昆虫観察」「ベランダ栽培」なども立派な体験学習になる。例えば「一人でオムレツを上手に作る」といった目標を設定し、買い物から調理、片付けまで試行錯誤しながら取り組ませることは、生きる力や自己効力感を育むうえで最も効果的な実践だ。
(3)オンライン探究学習や「ぼーっとする時間」の活用
最近は自宅から低価格あるいは無料で参加できるオンライン探究講座やWebツールも充実している。「そもそもスケジュールを習い事やイベントで埋め尽くす必要はありません。『金魚の水槽を半日じっと観察する』といったような、子ども自身が興味を持った物事に心ゆくまで没頭する無駄な時間こそが、深い思考力や探究心の芽を育てるのではないでしょうか」
長い教育費の道のりを見据えた視点を
「子どもの『体験格差』実態調査」※によると、世帯年収300万円未満の家庭の子どもの約3人に1人が、1年間、スポーツや文化芸術、野外アクティビティなどの学校外での体験活動を「ゼロ」と回答。一方で、世帯年収600万円以上の家庭では体験活動への支出額が明確に高い傾向も報告されており、親の収入格差が子どもの体験の多寡に直結している現実がある。
こうしたデータを目にして「きちんと体験を積ませることは親の責任。わが子に後れを取らせるわけにはいかない」と、夏休みの体験プログラムに一時的な大金を投じる……。その結果、将来の高校・大学進学に向けた資金が枯渇しては本末転倒である。
「豪華なサマーキャンプや高額なプログラムと比較して『自分は親として十分な体験をさせてあげられていない』と引け目を感じる必要はまったくありません。教育は長い道のりです。過度な課金合戦に巻き込まれず、身近な地域のリソースや日常の小さな発見を活かしながら、親子で無理のない夏休みを過ごす視点を持ちましょう」
※2023年、チャンス・フォー・チルドレン調べ
※プライバシー保護のため、記事中の事例は、具体的な状況の一部を変更しています。
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