「この中国人ね、八王子のスーパーで人を殺したんだよ」 未解決の「ナンペイ事件」に衝撃の新証言! 「キーパーソン」の仲間は「八王子で強盗に失敗したと聞いた」
“遺族と約束したからだよ”
Kと同郷の女性に会えた原氏は彼女に素性を明かし、“一緒に中国に渡航し、龍田鎮を案内してくれないか”と持ちかけた。彼女は“あなたは警察を退職したのに、なぜまだ捜査をするの?”とけげんな顔で聞いてきたという。
「それに対して私は、“遺族と約束したからだよ”と諭すように答えました」
Kの郷里で親族や知人を探し、情報を集めようと思い立った原氏。A子の協力で現地の案内人も手配された原氏は昨年7月9日、中国に飛び、福州長楽国際空港に降り立った。
向かったのはKの実家がある龍田鎮の龍一路。龍田鎮界隈は区画整理がされ整然としていたが、龍一路の一帯だけは舗装されていない凸凹道ばかりで、道沿いには廃墟があるのみ。牛が2~3頭、目に入るが、人が住んでいる気配はない荒涼とした地だった。Kの家族や親戚は引っ越したものとみられた。
「龍田鎮の路地裏で昼間からポーカーや麻雀に興じる賭場の客たちに対して、Kの顔写真を見せながら聞き込みも行っていきました。だが、残念ながらKを知る人物には行き当たりませんでした」
時がたち過ぎたということだろう。
横浜で違法薬物パーティー
龍田鎮では成果は得られなかったが、日本での交友関係の捜査ではもう一人、重要な人物が浮かんでいた。Kと武田にカルロスを紹介した人物だ。
「その人物は薬物事件で刑務所に長期服役中でした。彼の口から出た名前はC。極めて粗暴な男とのことでした。確かにCとKは非常に仲が良く、横浜の中国人クラブで一緒にヤオトウパーティー(ケタミンなどの違法薬物パーティー)をしていました」
そして原氏は会議室に用意したホワイトボードに3人の名前を書き出した。
〈K モトムラ C〉
おもむろにこう言った。
「この3人が再捜査の必要な重要参考人です。事件を解決する上で、捜査しなければならないグループです」
最後に彼はこう語った。
「捜査が必要な“錦糸町人脈”としてもう一人、キーパーソンとなる女性がいます。所在は確認していますが、八王子署特捜本部が再捜査することを想定して、私はまだ接触していません。この女性は確実にモトムラのことを知っています。また、Cの面倒を見ていた日本人男性の存在も分かっています。特捜本部が解決に向け、本気で再捜査するならば、私は協力を惜しみません」
前編では、09年9月に原氏ら計5人の捜査員が大連に飛び、武田から聴き取った「超重要情報」や、一度はカナダにいるKを日本に連行することができたにもかかわらず、原氏の後任の捜査担当者がナンペイ事件についての供述を得ることに失敗し、カナダに逃げ帰らせてしまった顛末などについて報じている。
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