「八王子のスーパーで3人射殺したのは中国人」 平成の三大未解決事件「ナンペイ事件」警視庁の元エースがたどり着いた「新証言」 警察は全面解決目前で「キーパーソン」を取り逃がす大失態も
“八王子のスーパーの犯行グループを知っている”
閉店後のスーパーの事務所に犯人が侵入したのは21時15分過ぎ。稲垣さんに金庫を開けさせようとしたが、彼女は解錠を拒絶し、金庫の脇で額と頭頂部を撃ち抜かれた。矢吹さんと前田さんは互いの右手と左手をガムテープで縛られ、口もテープで塞がれた状態でそれぞれ後頭部から銃弾を撃ち込まれた。
金庫の中には売上金526万円が収められていたが、結局、犯人は金を奪えないまま現場から逃走した。
捜査が大きく動き出したのは、08年のこと。覚醒剤密輸で中国当局に逮捕され、大連の拘置施設で拘留されていた日本人が“八王子のスーパーの犯行グループを知っている”と言い出したのだ。
男の名は武田輝夫。日本でも薬物や強盗の犯罪に手を染めていた。00年からは中国人の犯罪者グループと手を組み、「日中混成強盗団」を結成。各地で資産家を狙った強盗を繰り返し、10億円もの金品を強奪した。武田は身辺に捜査の手が伸びているのを察知して、02年11月に中国へ逃亡。当地でも覚醒剤密売を行ってお縄となり、06年、死刑が確定していた(10年に執行)。
「Kの福建省グループが八王子の事件をやったのは間違いない」
09年9月、原氏ら計5人の捜査員が大連に飛んだ。聴き取りに対し、武田は淡々と語ったという。
〈僕が中心となった日中混成強盗団のメンバーに、K・Rという中国人がいた。もともと同郷の福建省の中国人だけで、関東で現金、高級ブランド品や貴金属類を奪う強盗団をやっていた。仲間割れから名古屋に流れてきて、僕と組むようになった〉
武田同様、Kも、02年4月23日、日本から逃亡し、故国に戻っていた。
〈このKとは中国に来てからも一緒に麻薬ビジネスをやったことがある。04年ごろだったかな。Kは僕にこう漏らした。“八王子のスーパーの強盗殺人。あれは自分のグループがやったんだ”と。しかも、こう打ち明けてもいた。“事前の情報では、閉店後の夜間は事務所には従業員が一人しかいないと聞いていた。それなのに当日行ってみると、情報と違っていた。強盗は少ない人数でやると失敗する”とね。Kの福建省グループが八王子の事件をやったのは間違いない。Kは事件の全てを知っている〉
武田の聴き取りを機に、捜査当局のターゲットは「K・R」(55)に絞られていった。だが、この時点ですでに彼の姿は中国からも消えていた。覚醒剤での武田逮捕の報に接し、間一髪、カナダに脱出していたのだ。現在はトロントで生活している。
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