「七つも年下の男性から告白されるのは初めてで…」 声楽家・丸尾有香と指揮者・鏑木蓉馬の結婚秘話

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 人生いろいろ、家族もいろいろ、幸福の形もいろいろ。近年、「結婚がゴールではない」という声も大きくなりつつあるとはいえ、ゴールインした二人には幸せになってほしいと思うのが人情というものだろう。

 そして、そのゴールに到達するまでには、十人十色のドラマがあるのは言うまでもない。目下、幸せに包まれているカップルにエールを送りつつ、出会いから現在までを根掘り葉掘り聞いてみる「令和の結婚事情レポート」。

 今回登場していただくのは、声楽家の丸尾有香(ゆか)さん(40)と、指揮者の鏑木蓉馬(かぶらぎようま)さん(34)。

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 丸尾有香さんが、鏑木蓉馬さんと5月16日に入籍した。交際のきっかけは、音楽家のイメージとは程遠い「鼻血」。指揮者がタクトで語る雄弁さとは裏腹の、彼の「かわいさ」が二人のハーモニーの底流にあった。

 2024年2月、世界初演となった倉本聰原作のオペラ「ニングル」。主人公の妻役で出演した有香さんと、副指揮者を務めた蓉馬さんは23年11月からの稽古で初めて顔を合わせた。

 あいさつを交わした翌日、稽古場の最寄り駅で彼の姿を見た彼女が背後から声をかけた。彼は「一瞬、誰か分からなかった」と言うが、互いに日本語のオペラは初めてという不安を共有し合った。

 そんな稽古の日々の中での出来事。副指揮者として忙しく働き回っていた蓉馬さんは、何かの拍子に鼻血が止まらなくなりアタフタ。

 そこへティッシュを手に駆け寄ったのが有香さんだ。天使のごとく現れた彼女に「優しい人だな」と感じた蓉馬さん。有香さんも、精力的に動く彼を見て「すごく頑張り屋だし、情熱が真っ直ぐな感じで絶対いい人と思っていた」と振り返る。

 その場はそれまでで、次に会ったのは約8カ月後。25年1月26日上演のロッシーニ作のオペラ「なりゆき泥棒」の稽古場だった。久しぶりの再会に「よろしくお願いしま~す」と手を振る彼女に彼は紳士的にお辞儀を返す。話す機会が増え、稽古帰りの小田急線で一緒になることも多かった。

 だが実は「自分の最寄り駅を偽っていたんです」と蓉馬さん。彼女より遠い駅で下車し、1時間弱も歩いて帰っていた。「当時、京王線の駅が本当は自宅の最寄りでした。小田急線ではそこが一番近く、うそではなかったんですが」と苦笑する。

七つも年下から告白されるのは初めてで……

 思いはいや増し、上演後に彼は「もう会えないだろう」と考えて、打ち上げからの帰路、彼女を見送る駅で自分も降車し、「すごく素敵な人だと思ってました。よければ付き合ってください」。

 驚いた彼女。「いつからそんなふうに思ってくれてたの?」と問うと、「ニングル」の頃からだという。ただ七つも年下の男性にそのようなことを言われたのは初めてで「うれしいんだけど、考えさせてください」と、返事を保留した。

 1カ月半後。オペラ「静と義経」を翌日に終える蓉馬さんに有香さんから連絡。

「終わったら、お茶でも行けたらうれしいです」

 半ば諦めていた彼は天にも昇る気分に。3月28日に会った際の彼女の返事は「友達からでもいいですか」だったが「静と義経」の舞台・鎌倉を一緒に訪れた4月16日。彼女が“夏目漱石好き”と知っていた彼は名作『こころ』の舞台でもある由比ケ浜で「付き合いませんか」。彼女も「お願いします」と応じた。

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