「これで中継が成立するなんて……」 ラジオの実況アナが驚愕した“テレビ中継との最大の違い” ラジオではありえないアナウンサーの行動とは

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オフチューブ実況の魅力

 もう一つの貴重な経験は、FODでの実況です。生まれて初めての、オフチューブでの野球中継でした。

「オフチューブ」というのは、実際に球場の放送席から実況するのではなく、局のスタジオで球団映像をモニターで見ながら実況することです。バンテリンドームの放送席で実況するDAZNは、これまでの癖でどうしてもグラウンドに目が行ってしまうのですが、オフチューブだと見るものはモニター1台だけ。つまり、入ってくる情報はモニターの映像がすべてです。

 これまで、名古屋ウィメンズマラソンの実況でオフチューブ中継の経験はありましたが、マラソンではテレビ中継を行う東海テレビの協力で、ON AIR映像のほかに第1放送車、第2放送車、バイク中継の撮っている映像をそのままスタジオで見られるようになっていたので、4台あるモニターからテレビで放送されていない映像にも焦点を当ててしゃべることができました。

 しかし、プロ野球のオフチューブ実況は、モニター1台のみ。

 実際にやってみるまで「どこまで実況できるのか」という一抹の不安があったのですが、終わってみて率直な感想は「映像に合わせた実況をするという意味では、目の前にグラウンドがない分、映像に集中できる」というものでした。

 まだまだ勉強中ではありますが、すこしずつでも見ている方に違和感のない実況ができるよう日々努力を続けていきます。ただ、一つ引っかかっているのが、CSプロ野球ニュースで久々に再会した、元文化放送アナウンサーの言葉。

「テレビに慣れると、ラジオ実況したときに言葉足らずになる」

 自身の経験をもとに話してくれました。仕事の幅を広げるために、未経験だった映像の仕事を積極的にやらせてもらっていますが、これまでの経験を生かす意味でもラジオ実況も続けていきたいと思っています。ラジオ実況のスキルがさび付かないように、こちらも意識していこうと思います。

村上和宏(むらかみ・かずひろ)
フリーアナウンサー。1967年、広島県出身。専修大学法学部卒業後、91年に東海ラジオ放送入社。制作局アナウンサーとして、主にスポーツ実況を担当。2025年の退社まで、プロ野球をメインに多くの番組制作に携わった。現在、バンテリンドームナゴヤのDAZNドラゴンズ戦実況、「プロ野球ニュース」(フジテレビONE)などに出演中。

デイリー新潮編集部

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