7月11日から「MLBドラフト」! 期待高まる有力球団の「佐々木麟太郎」指名のウラで「ソフトバンク」に“切り札”はあるか
評価が上がった?
また、これまでは分からなかったキャンパス内での練習光景も見えてきた。今年のドラフト指名候補生における佐々木の評価はランキングで150番台と伝えられてきた。決して高くはないものの、「6、7巡目以降で指名される」というのがこれまでの評価だったが、その内容が少し変わってきたという。
「米野球メディア各社が、大学リーグ戦の成績やMLBスカウトからの取材をもとに、ドラフト指名候補生のランキングを作っています。どのメディアを見ても佐々木の順位に大きな差はありません。でも、MLB30球団では、もう少し高く佐々木を評価しています」(ア・リーグ中区球団スカウト)
佐々木のランキングが伸び悩んだ理由は、その体型から「一塁しか守れない」と見られていたからだった。しかし、同スカウトはそれをこう否定する。
「彼は三塁も守れます。昨季はファーストミットしか持ち歩いていませんでしたが、今年のレギュラーシーズンが始まる前の1月ごろからコルク色の内野手用グラブも手にしていて、守備練習では三塁も守っていました。個別に三塁守備の練習もしており、マイナーで三塁の練習をやっていく下地も出来つつあると思いました」
そのキャンパス内での光景は、少なくともMLB30球団のカリフォルニア州北部の担当スカウトも目撃しているはずだという。
三塁守備といって思い出されるのが、佐々木の憧れの野球選手である。2024年3月、花巻東高の卒業式後の囲み会見で長嶋茂雄氏への憧れを語っており、スタンフォード大学でも背番号は迷わず「3」を選んだ。一塁、三塁ともにMLBでは強打者が務める守備位置だが、「ひとつのポジションしか出来ない」という欠点は解消されつつあり、MLBスカウトたちも認めていたようだ。
また、ソフトバンクとの入団交渉が行われた翌3日、トロント・ブルージェイズのアマチュア部門のスカウト部長であるマーク・トラムタ氏が、日本メディアを含めたオンラインでの共同会見に臨み、今年のドラフト候補生の実情について語っていた。
「今年は全体的に層が厚い。とくに投手では高校、大学ともに層が厚く、大学生の野手にも良いバッターが多い」
好打者のライバルが多いことも佐々木のランキングが150番台だった理由ではあるが、衝撃的だったのはそのあたりの順位にいる選手に対する評価だ。トラムタ氏はブルージェイズが「Competitive Balance Tax(贅沢税)」を超え、ドジャース、メッツ、ヤンキース、フィリーズと同様、上位指名権がない実情を説明し、
「トップ20に入る選手は(自分たちの指名の順番が来たとき)残っていない。だから、彼らの調査には時間を掛けなかった。中間レベルや下位ランキングの選手を対象に(指名の)対象に絞ってきた」
と語っていた。ドジャースなど4球団も「同じだろう」と話していた。その予想通りになれば、佐々木はドジャース、ブルージェイズ、メッツ、ヤンキース、フィリーズといった強豪球団に指名される可能性も高い。奇しくもその5球団はファーム施設が充実しており、佐々木にとっても決して悪い状況でのプロ生活のスタートにはならないはずだ。
ソフトバンクはどうする?
「気になるのは、ソフトバンクにはポスティングシステムでの米球団挑戦を認めた前例がないこと」(前出・地元メディア)
海外FA権取得には9年を要する。ソフトバンク入団を決めれば、佐々木が夢を実現させるときは30歳になっている。ポスティングシステムに関する話は、2日間の面談では出なかったそうだ。だが、7月1日、記者団からその質問があり、城島健司CBO(50)はこう反論していた。
「うちはポスティングシステムをやらないとは言っていないので。うちが強くなるメリットがあるならやる。今やっていないのは、そのメリットがないから。それ以外のプラスが出てくるなら考えます」
5月15日(現地時間)、ドラフト会議の下位指名候補が主に参加する「ドラフトコンバイン」に佐々木が参加したのは既報通り。現地記者たちによれば、約300人の参加者のなかで佐々木は458.1フィート(約139.6メートル)の飛距離と、打球球速も115.4マイル(約185.7キロ)を記録し、ともに2位の高記録だったそうだ。
「上位5人くらいになると、飛距離、打球速度の好記録が1回ではなく、それに近い数値が何回も続けて出ていました。佐々木もそうでした」(前出・現地記者)
ソフトバンクに許された交渉期限は7月末。現地入り後の再交渉ではどんな条件提示がされるのか、佐々木はそのギリギリまで進路選択で悩むことになりそうだ。
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