中日はなぜ「小笠原慎之介」を獲得しなかったのか? 「古巣だけに、“現在の状態”を正確に把握していて…」 「前田健太」「藤浪」「青柳」…“MLB復帰組”の苦戦も相次ぎ

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「怖さはまったくない」

 9年間プレーした中日は小笠原の力量を最も把握していると言える。21年から4年連続規定投球回数をクリアするなどタフネスであることが魅力である一方、打者を打ち取る絶対的な武器に欠ける。通算161試合登板で46勝65敗、防御率3.62。チームが低迷期で打線の援護に恵まれない登板が少なくなかったが、一方で、ホームランテラス設置前の広いバンテリンドームを本拠地に置いていたことを考慮しなければいけない。

 当時の中日を取材していたスポーツ紙記者は、

「狭い球場を本拠地に置いていたら防御率が4点台だったでしょう。打者を打ち取る絶対的な球種がなく、制球もアバウトなため球数がかさむ。5、6イニング投げて3失点以内に抑えれば上出来の投手です。日本で通用するか未知数な助っ人外国人投手を獲得するよりは、計算ができると言えますが……」

 他球団のスコアラーも、

「怖さはまったくないですね。巨人で言えば、同じ左腕でも球に力がある井上温大、ドラフト1位の竹丸和幸の方が厄介です。米国で投げている映像を見ましたが、中日時代から大きく変わったわけではない。対策はきっちり立てますよ」

 と攻略に自信を見せる。

早急に求められる結果

 米国から日本球界に復帰した投手がNPBで活躍できる保証はない。昨シーズン途中にDeNAに入団した藤浪晋太郎は、課題の制球難で改善が見られず今季は開幕からファーム暮らし。また、1年も経たずにメジャー昇格を断念した青柳晃洋も、昨年はシーズン途中に入団したヤクルトで3試合登板して防御率8.10。今年は故障で出遅れて1軍登板がない。日米通算165勝をマークしている前田健太は昨オフに楽天に入団。11年ぶりに日本球界に復帰して先発の柱として期待されたが、7試合登板で1勝3敗、防御率3.52と思うような結果を残せていない。全盛期に比べて直球のキレが落ちるため、変化球にも対応されてしまう。

「小笠原は28歳とまだ若い。米国でプレーしていた期間も短かったので、中日時代に比べてパフォーマンスはそれほど変わっていないでしょう。ただ、巨人は外部補強した選手に対しても結果を残さなければシビアです。ソフトバンクからFAで加入した甲斐拓也は今季移籍2年目ですが、開幕から3か月近くファーム暮らしが続きました。かつてDeNAからFAで移籍した井納翔一も在籍期間2年間で1勝のみに終わり、戦力構想から外れる形で現役引退しました。何度もチャンスを与える球団ではないので、小笠原も1軍のマウンドで早急に結果が求められます」(スポーツ紙デスク)

 阪神、ヤクルトと熾烈な首位争いが繰り広げられる中、V奪回のピースになれるか。小笠原の新たな挑戦が始まる。

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