巨人・阿部慎之助前監督に13万筆超の復帰署名 過去にもあったプロ野球界の“嘆願劇”
ファンの情熱の表れと感謝している
監督辞任が決まった後も、退任を惜しむファンが残留を求める嘆願署名を行ったのが、ロッテのボビー・バレンタイン監督である。
1995年、バレンタイン監督は就任1年目でチームを2位に導いたが、広岡達朗GMとの確執により、オフに退任が決まった。
だが、ファンサービスに積極的だった同監督のわずか1年での退団を惜しんだマリーンズファンが、続投を求める嘆願署名を開始。3週間で約2万人の署名が集まった。
2004年、9年ぶりにロッテへ復帰したバレンタイン監督は、翌05年にチームを31年ぶりの日本一へ導く。しかし、08年オフ、5億円とも言われる高年俸がネックとなり、翌09年限りでの契約打ち切りが決まった。
すると、シーズン開幕後の6月、残留を望むファンが10万人を超える署名を集め、重光武雄オーナーに提出。改めてボビー人気の根強さを証明した。
同監督は同年限りで退団したが、「ファンの情熱の表れと感謝している」とエールを送っている。
このほか、1985年のキャンプイン目前に西武への電撃トレードが決まった中日・田尾安志をめぐっても、地元・名古屋のファンがトレード撤回を求める署名運動を展開した。
2006年オフにFA宣言した広島・黒田博樹も、残留を願うファンが本拠地・広島市民球場に掲げた横断幕や、「一緒に優勝しよう」という残留希望の署名に心を揺さぶられ、“男気残留”した話が知られている。
もちろん、署名活動が常に望んだ結果を生むわけではない。むしろ、結果だけを見れば実らなかった例も少なくない。それでも、個人の問題意識を数と声に変え、社会や球界に問いを投げかけるという点で、署名活動には大きな意味がある。冒頭で紹介した阿部前監督も、13万筆を超える署名によって、少なくとも多くのファンが再起を望んでいることは可視化された。監督復帰の是非とは別に、署名が持つ力を改めて実感させる出来事だった。










