「オランダは惨めな交代と日本のヘディング一発で勝利を失った」…森保ジャパン“殊勲のドロー”にオランダメディアは「クーマン監督」を酷評

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皮肉たっぷりの見出し

 それも、クーマン監督肝いりの、ある選手の交代を名指しで糾弾している。

「壮大かつスリル満点のワールドカップという冒険が、日曜、ダラスでかすかな失望とともに始まった。オランダ代表は最後まで2-1のリードを守り切ることができなかった。日本は歓喜に沸きオランダは悲嘆に暮れた」

「交代、なかでも重い足取りのメンフィス・デパイは、悲惨な結果をもたらした」

 戦前、クーマン監督は件のデパイにプレーさせるかどうか、まだわからないとしていた。デパイはオランダ代表の歴代最多得点を記録している名選手だが、近年はそのパフォーマンスが落ちていて、オランダメディアも懐疑的だった。その懸念がモロにあたってしまったというのが同紙の見方なのである。

「ロナルド・クーマン“かすかな落胆”はあるものの、引き分けでもやっていける『我々はどんな相手でも簡単に勝てると考えている』」

 と、クーマン監督のコメントを引用した皮肉たっぷりの見出しで報じているのはオランダ最大の新聞De Telegraaf(6月15日)だ。同記事ではクーマン監督に対して、2度のリードを守りきれなかった点を、監督のコメントとともに報じている。

「勝利を放棄してしまった」

「日本代表にもたくさんのチャンスがあった。両チームにとって最高レベルのゲームだったんだ。日本代表は、いつもハイプレスをしかけてくる。だが、この試合では、彼らはかなりの時間帯、そうしなかった。多くの選手がボールを待っていた。そういう意味で、彼らも怖がっていたんだよ。そのせいで、我々はスペースを見つけにくかったんだ」

 大会の真っ最中ゆえ、弱気な言葉を極力控えたいのは理解できるものの、クーマン監督の弁明は、いま流行りの「他責」の雰囲気が感じられなくもない。スーパースターだった現役時代の豪快なプレーからは想像もつかない。クーマン監督はつづけてこうも語っている。

「ここ最近の試合よりも、はるかに良いプレーをしたと思う。かなりよくやったが、“その時”まではもうすこし待ってほしい」

 これに対し、同紙は冷静に言い放っている。

「オランダ代表は2026年ワールドカップの最後の場面で、日本相手に勝利を放棄してしまった」

 おおよそ、自滅、という分析なのだろう。伝統ある強豪国のメディアは、やはり手厳しい。

 まだ初戦、されど初戦。グループリーグは、あと2試合残されている。果たしてオランダ代表は持ち直すことができるのか。ある意味、日本代表とのドローの真価も、今後のオランダ代表の戦いぶり如何にかかっているともいえる。さらに目が離せないワールドカップになってきた。

加藤ジャンプ(かとう・じゃんぷ)
文筆家、ライター、イラストレーター。1971年東京生まれ東南アジア育ち。一橋大学大学院法学研究科修士課程修了。出版社で編集者として週刊誌や国際政治経済誌、スポーツ誌などに携わり独立。食やモノ、手仕事、スポーツなど幅広く執筆。著書に、テレビ化された『ロビンソン酒場漂流記』(新潮新書)、多摩の酒場のルポ『ただいま酒場』(けやき出版)、コの字酒場という言葉を考案した『コの字酒場はワンダーランド――呑めば極楽 語れば天国』(六曜社)など。テレビ東京系「二軒目どうする?〜ツマミのハナシ〜」に出演中。原作を執筆した漫画『今夜はコの字で』(集英社)は2シーズン・ドラマ化された。

デイリー新潮編集部

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