両親を殺された兄弟が復讐のために… 岡田将生×染谷将太が表現する“憎しみ”のゆくえ
今期はコンビニ・豊臣と「兄弟」を冠するドラマが重なったが、目を引いたのは田鎖(たぐさり)という珍しい苗字の兄弟。31年前、両親が惨殺され、弟も傷を負わされたが、犯人は捕まらず、未解決事件に。その15年後の法改正で時効が撤廃となるも、たった2日の差で両親殺害事件は時効が成立してしまう。兄弟は法で裁けない犯人への復讐を誓い、警察官になった。兄の真(まこと/岡田将生)は所轄で強行犯係の刑事となり、弟の稔(みのる/染谷将太)は法医学を学んだ後、県警の検視官に。事件当時の映像は横長のシネマスコープ風で見せ、やや暗めのトーンで展開する「田鎖ブラザーズ」の話だ。
消えない悲しみ、やり場のない怒りと憎しみを抱えている兄弟だが、未解決事件の壁は高い。手がかりは事件当日、田鎖家を訪ねて来た謎の男(飯尾和樹)だが、事件後は行方知れずのまま。復讐心は募るものの、日々の激務に追われる。孤独に闘いながらやさぐれた兄、その兄にやや息苦しさを感じてきた弟。二人の心には距離があるようにも見えたが、突然、事件は動き出す。いや、ここまで手がかりがないと、逆に周辺の関係者や身内(警察官)が怪しいと思っちゃうよね。
まず、田鎖兄弟に寄り添ってきた町中華「もっちゃん」の店主・茂木幸輝(ゆきてる)。山中崇がミリ単位の表情で含みを見せてくれたので、何らかの関与を嗅ぎ取ることはできた。が、計算はできないわ、鍵開けっ放しで店を空けちゃうわで、そのヌケサク具合の方を心配させる絶妙さ。逆にシゴデキ過ぎて何だか匂うのは、うさんくさい質屋を経営する足利晴子(井川 遥)だ。新聞記者時代の人脈を使い、警察が知り得ない情報を入手する手練れで、事件当日は田鎖家の近くで犯人に襲われた因縁がある。ヌケサクとシゴデキが、実は事件の真相や背景を知っている模様。
面白いなと思ったのは、真と稔が担当する数々の事件が、両親の事件とうっすらつながっていくところ。関係ないように見えたひき逃げ事件や放火殺人事件、不審死事件などが解き明かされていくと同時に、両親の事件の真相にも少しずつ近づいていく。余談だが、今ハマっていて、時間が空くとついやっちゃうゲームがある。アローなんちゃらというゲームだ。複雑に張り巡らされた矢印の集合図面で、矢印を外に放って消していくのだが、なんかこのドラマみたいでね。こんなところで出口を塞ぎやがって、とか、こんなところがつながっていやがったか、とか。なんか田鎖感あるんだよね。
で、田鎖の父(和田正人)が勤めていた金属工場の経営者夫婦(長江英和・仙道敦子)が、ヤクザの下請けで拳銃の密造に関与していたことが分かり、真の上司・小池俊太(岸谷五朗)が両親の事件の捜査になぜか難色を示すなど、徐々にキナ臭い背景が見えてきたところだ。
犯罪被害者やその家族は、犯人への復讐心をどう往(い)なせばいいのか。その道標は6、7話で描かれたが、果たして田鎖兄弟は最後まで警察官の縛りや誇りを守れるだろうか。憎しみの行方が気になるところである。







