オランダ相手に「2対2ドロー」は見事な“ジャイアント・キリングの戦法” それでもセルジオ越後氏が懸念する「チュニジア戦」で絶対に避けたい“最悪の展開”

スポーツ

  • ブックマーク

 6月15日、テレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」にサッカー解説者の松木安太郎氏が出演。日本対オランダ戦の結果を振り返った際、「今日勝ちましたけど」と口にしてしまった。しかし、これは多くの日本人の“本音”だったかもしれない。日本は2対2で引き分けたが、あまりに劇的な試合展開に、まるでオランダに勝ったかのような錯覚に誰もが陥ったからだ。

***

 同じ解説者のセルジオ越後氏も「よく追いついたとは思います。ただ、勝ったわけではありません。オランダとの実力差を考えれば大きな勝ち点1ですが、ここで浮かれてはいけません」と言う。

「日本がオランダより格下のチームであることをしっかりと自覚し、入念な準備を積み重ねてきたからこそ、格上オランダを相手にドローへ持ち込むことができたと言えます。相撲に喩えると、横綱のオランダは万全の取り口で9割9分、勝利を手中に収めるはずでした。格下の日本は土俵際に追い詰められ、もう後がありません。ところが最後の最後で鮮やかなうっちゃりを決めたのです。同体で引き分けになったとはいえ、観客は歓声を上げて大喜び。座布団も宙を舞った、という感じでしょう」

 なぜ横綱のオランダは格下の日本に勝てなかったのか。後半19分にクリセンシオ・サマーフィルが鮮やかなゴールを決めて2対1になった時、多くの日本人は頭を抱えたことだろう。

「ロナルド・クーマン監督は守備的な選手に交替し、守り切って2対1で勝つ戦術を採用しました。あのままオランダ代表が逃げ切っていれば、選手交代は“名采配”、監督は“名将”と高く評価されたはずです」(同・セルジオ越後氏)

“ジャイアント・キリングの精神”

 セルジオ越後氏は「一方の森保一監督は2対1で敗れるのも3対1で敗れるのも同じだと考え、選手交代で攻撃的な布陣を選択しました」と言う。

「すると後半44分にセットプレーのチャンスが訪れます。セットプレーは選手がゴール前で対峙しますから、基本的には攻撃側がチャンスを得る確率が上昇します。しかも日本は交替で攻撃的な選手が揃っていました。こうした状況がぴったりとハマり、小川航基選手の見事なヘディングが鎌田大地選手の頭に当たり、オランダゴールに飛び込んだというわけです」

 今後の試合日程を日本時間で確認しておこう。次のチュニジア戦は6月21日の午後1時、スウェーデン戦は26日の午前8時にキックオフの予定だ。

 FIFAランキングは日本が18位で、チュニジアは45位、スウェーデンは39位となっている。

「オランダはFIFAランキング8位。だからこそ日本は、守って耐えながら少ないチャンスをものにする、いわば“ジャイアント・キリングの精神”で戦う現実的な選択ができました。そして結果的に、2度のビハインドを追いつき、大きな勝ち点1を手にしたのです。しかし今度のチュニジア戦は、まったく性質の違う試合になります」(同・セルジオ越後氏)

次ページ:日本の力が試される一戦

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。