53歳で降ってわいたような資金500万円。住宅ローン繰り上げ返済か、投資に初挑戦か――FPが教える「2つのNG行動」と、お金を守りながら増やす処方箋
50代で老後が見えてきたタイミングで、500万円ものまとまった資金が手元に。住宅ローンの繰り上げ返済にまわすのと、それとも初めての投資にチャレンジするのと、どっちが得?――そんな悩みに答えるのは、長年、積立投資を推奨してきたFPの山口京子さん。その答えは「運用効率だけで考えないで!」という意外なものだった。
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家計管理に励み手にした500万円、どこに投じる?
「子どもたちのために貯めた教育資金が、予想より多めに浮きそうです。これを住宅ローンの繰り上げ返済に充てるか、投資に回すか、悩んでいます。どちらがお得でしょうか」
都内に住む会社員の雄大さん(53歳、仮名)は、今そんな"うれしい悩み"を抱えている。長男の就職が決まり、大学2年生の次男も社会に出るまで残り2年。「自分は奨学金の返済で苦労した。子どもには背負わせたくない」と家計管理に励み、教育費を多めに確保してきた。結果的に子どもたちは2人とも国公立大学に進学、500万円が手元に残ることになったのだ。
なお、住宅ローンは65歳まで残っている。投資はこれまで一度もやったことがなく、ほかに金融資産はない。
「これまでひたすら節約の日々で、やっと浮いた500万円です。有効に使いたいのですが、どうしたらいいのか……」
そんな雄大さんを、山口さんは、「奨学金も借りずに、2人のお子さんの教育費を賄い切ったとは、本当に素晴らしい。まずは大きな拍手を送りたい」とねぎらった。
「親としてやり切った感があるかもしれません。ただ、ここから先の人生が本当に長い。53歳から男性の平均寿命81歳まで、約30年あります。22歳で社会人になってから53歳になるまでの30年間と、ほぼ同じ長さの時間がこれから待っているのです。その意味で、この500万円をどこに投じるかが非常に重要になります」
NGその1:「全額を繰り上げ返済に充てる」
山口さんは「やってはいけないことからお話ししましょう」と切り出した。一つ目は、手持ちのお金を「すべて」住宅ローンの繰り上げ返済に使うことだという。
「この先、何が起きるかわかりません。自宅の屋根が壊れるかもしれない、急に病気になるかもしれない、仕事が変わるかもしれない。そういった『人生のまさか』に備えるお金を手元にいくらか残しておきましょう」
ひとたび繰り上げ返済をしてしまうと、「やっぱりあのお金、必要だった」と悔やんでも、銀行は返してはくれない。そこで必要な分をもう一度借り直そうとすると、今度は金利の高いローンを借りるはめになってしまう。
「住宅ローンと教育ローンは、世の中のローンの中でも最も金利が低い部類です。今さらわざわざ急いで返さなくてもいい、というのが今どきの基本的な考え方。65歳まで返済の見通しが立っているなら、計画通り返していけばいい」
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