産出国でもないのになぜ? 日本が「金輸出大国」になったナゾ
金の密輸グループ
今年2月、成田空港から香港に輸出されようとしていた金塊900キロが、突然、東京税関成田税関支所によって留置されるという一件があった。当時の価格にして約270億円。輸出元は東京・御徒町の金買い取り業者だ。輸出手続きを行った関係者によると、税関の統括審査官は、出所や精錬場所について執拗(しつよう)に質問してきたという。結局“おとがめなし”となって金塊は業者に戻されたが、当局が金の輸出に神経を尖らせるのには理由がある。
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税関が発表している金の輸出量と輸入量を比較すると、令和6年は輸出量229トンに対し、輸入量はわずか9トン。5月28日に発表された貿易統計でも4月までの輸出量は輸入量の40倍近くある。産金国でもないのに、日本の輸出量はなんと世界第4位のカナダの産出量を上回るのだ。
では、金はどこから来るのか。わが国で金の商業採掘を行っているのは鹿児島県の菱刈鉱山のみで年間4トン。電子部品などから回収される金や、中古の金ネックレスなどが買い取り業者経由で輸出されるケースがあるにせよ、国内回収分だけでは、巨額の輸出超過は説明できない。財務省関税局は背景に金の密輸グループの存在があると見ている。
「密輸グループは消費税を払わずに金を日本に密輸し、精錬・加工業者に売る。この取引は国内消費になるため、密輸グループは消費税10%分込みの代金を受け取ります。精錬・加工業者は輸出業者に転売し、金は輸出される。その際、輸出は国内消費にならないので、輸出業者は免税措置を受けられるのです。金は香港など消費税のかからない国や地域に送られ、再び密輸グループによって日本に持ち込まれるというわけです」(国税庁の担当記者)
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