東大生が「口下手」に、医学部受験生も「AI依存」… 生成AIの普及が教育現場に与えている「深刻過ぎる影響」
医学部受験生の「AI依存」
東京大学医学部卒で、医学部予備校「レユシール」講師代表を務める片山湧斗(ゆうと)氏に聞くと、
「AIに東大入試を解かせたら、首席より高い点数を取ったなんて話もありますが、確かに昨年あたりからAIのモデルが発達して難解な数学の問題を解くにしても精度が高くなっています。そのため親御さんたちから“宿題をAIで済ませているのでは”という相談が増えているのです。私自身、生徒がAIを使っていると感じる場面が多々あります。宿題で全問正解した子に理解度を試す質問をしたら、自分の言葉で説明できないことがありました」
AI依存の傾向は、医学部合格に必須の面接試験対策で顕著に見られるそうで、
「AIに“志望理由などを含んだ面接原稿を作ってください”とお願いした生徒の話は、明らかに高校生が使わない言葉が用いられて、人間味のない内容になります。確かに間違ったことは言っていないのですが、どうしてそう考えたのかと掘り下げて質問すると、うまく回答できない。AIという“劇薬”は、考えるプロセスをスキップして答えを提示するので、子どもたちの想像力や思考力の成長に大きな支障が出ないかと非常に懸念しています」(同)
東大生に異変
実際、晴れて東大に合格するような子どもたちにも、異変が生じていた。
「毎年、東大の新入生と話す機会があるのですが、口頭でのコミュニケーションが苦手な子が増えた印象を受けます。今の子たちは、LINEなどテキストベースのやりとりに慣れてしまって、口頭で話す機会が減っている。そのため会話のテンポが若干ズレたりします。志望校を決める際にも、子どもたちは親や学校の先生に相談するより、AIと“対話”するのが先になっている。そのことには危機感を覚えます」(片山氏)
もはやAIは子どもたちにとって欠かせないツールどころか、「親」や「先生」に取って代わる存在にまでなっているのである。
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