「国力研究会」に自民議員の8割が参加…御年85歳にして影響力を増す「麻生太郎」副総裁の“存在感が際立ったシーン”とは
麻生が放つ“存在感”
それでも入会しなかった議員は、初会合時点で70人、その数日後には60人となった。入会者の名簿は発表しない方針という。政局絡みで報じられることを警戒しているからのようだ。
初会合で、ひな壇には麻生が他の発起人数人と共にデンと座り、存在感を示していた。とはいえ、麻生はこの場で何も発言しなかった。「あくまで勉強会」なので、表向きは控え目にということだろう。沈黙を貫いていた。
「麻生派の勢力拡大が狙い」という党内に広がった臆測を打ち消そうと、懸命なのかもしれない。
旧安倍派などの裏金問題の影響で、岸田政権の時に派閥は次々に解消され、党内に残っている派閥は麻生派のみ。今年2月の衆院選後、麻生派は60人に増え、影響力を増している。
副総裁の麻生をはじめ幹事長・鈴木俊一、総務会長・有村治子ら党の要職は麻生派が占め、政調会長・小林鷹之も麻生に近づきつつある。政界を引退した元幹事長・甘利明は麻生派で、若い小林の後見人的な存在だった。
それはともかく、85歳の重鎮、麻生は黙っていても目立っていた。初会合で講師に招かれた駐日アメリカ大使ジョージ・グラスの講演が終わるや、麻生はすかさず立ち上がってグラスと握手し、しばし談笑する姿があった。
自民党を「支配」するのは誰か?
「そうか、これを党内に見せたかったのか」と思わずにはいられなかった。緊密な日米同盟関係をしっかり支え、党内も支配。麻生にすれば絶頂の思いだったのではなかろうか。
少し余談をはさむが、この日の国力研の前、自民党本部である議員に取材しようと、入り口玄関付近で待っていたら、麻生が党本部内から出て来た。番記者数人がぞろぞろぶら下がり、麻生が車に乗り込み党本部を出るまで見送るというシーンがあった。若い麻生番記者の姿を見ながら、麻生もかつての副総裁・金丸信のような大物になったなあと感慨にふけった。
旧宮沢派(宏池会)に所属していた麻生が若いころ、旧竹下派(経世会)全盛の時に、なぜか夜の金丸邸から出て来たことがある。金丸側近議員が集まる金丸邸に多数の記者が張り込んでいた時で、私も現認した。「なんで麻生が金丸邸から出て来るんだ」と当時は不思議に思っていた。いつか聞いてみたいと思う。
余談はこれぐらいにしておこう。国力研は当初、高市政権を後押しする「党内主流派」グループの結成という思惑があったとみて間違いない。
しかし旧岸田派、武田グループの参加によって、その思惑は崩れ去った。とはいうものの、結果として党内の「麻生支配」の姿を浮き彫りにしたのではないかとも思う。
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