【栃木強盗殺人】なぜ16歳の少年4人は“69歳女性”と“飼い犬”を無慈悲に惨殺できたのか? 凶行に歯止めが利かないのは「非行少年ですらない“素人”だからこそ」と専門家
パニック状態でなだれ込む高校生の恐怖
災害時における正常性バイアスの具体例としては、「前回は警報が出たけれど大丈夫だった。今回も警報が出たが大丈夫だろう」と思い込んでしまうことが挙げられる。
「私たちは少々変わったことが起きても、それを異常だとは思わない傾向があります。少年たちは闇バイトに『ヤバければ逃げればいい』くらいの軽い気持ちで応募します。そして自分が想像していたよりも危険な側面を徐々に感じ取っても、自分に都合の良い情報だけを選び『いや、安全なバイトだ』と考えてしまいます。まさに正常性バイアスによって誤った判断を下してしまうわけです」(同・出口氏)
少年たちは人生経験や判断力にも乏しい。本性を現したトクリュウが「命令に逆らったら家族や友人を殺す」という脅し文句も信じこんでしまう。あっという間に絡め取られ、命令のまま動く“駒”と化す。
栃木県に行けと言われ、バールや刃物を渡されて「強盗しろ」と指示されても逆らえない。おまけに犯罪の“素人”だから加減を知らない。むしろパニック状態になって民家になだれ込む。相手を殺しても意味がないはずなのに、歯止めが利かない。被害者にとって、これほど恐ろしいことはないだろう。
従来は全くなかった犯罪パターン
「トクリュウはSNSを悪用し、自分たちは直接犯罪に加担することなく、利益だけを手に入れるシステムを作りあげました。実行犯に捜査の手が伸びても切り捨てればいい。自分たちが逮捕されることはないと考えています。こうした犯罪が成立するのは、まさに『犯罪の素人化』が進んだからです。非行や犯罪の経験がない若者が、いきなり強盗に入ったり、その際に人を殺してしまったりと、従来は全くなかった犯罪パターンが生まれてしまいました。この恐ろしさについては社会全体で真剣に対策を考える必要があります」(同・出口氏)
闇バイトの“リクルーター”が取材に応じるなど、トクリュウの実態が詳細に描かれて話題を集めた書籍がある。『闇バイトの歴史 「名前のない犯罪」の系譜』(太田出版:藤原良著)がそれだ。
著者の藤原良氏の取材に対し、リクルーターは「なるべく“バカ”が来てくれたほうがいいんですよ」と言い放つ。
その詳細はデイリー新潮の記事「【栃木強盗殺人】なぜ“16歳の高校生”は実行役に選ばれたのか…『雇うならバカがいい』『ビッグになりたい少年は格好のカモ』闇バイトのリクルーターが明かす“選考条件”」に掲載されている。
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