「富士山閉山期」に「登山者1万人」報道の衝撃 地元自治体が訴える「救助費用自己負担化」の是非
富士山の山開き(山梨側は7月1日、静岡側は7月10日)まであとひと月。そんな折、6月1日付の読売新聞が「富士山の閉山期に1万人が登山」という記事を掲載した。9月11日からの閉山期に富士山の登山道に立ち入る人が、少なくとも年間1万人前後いるというのだ。
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1万人前後という数字は、日本定住者が国内で使用しているスマートフォンの人流データを基に、読売新聞と位置情報調査会社「ロケーションエーアイ」が分析した結果だ。つまり、訪日外国人の数は入っていない。にもかかわらず1万人である。
この分析は、山梨側の吉田ルート、静岡側の富士宮、須走、御殿場ルートの4つの登山道で行われた。その結果、閉山期の登山者の5割近くを占めていたのが富士宮ルートだった。そこで静岡県富士宮市の産業振興部観光課に聞いた。
――読売新聞の記事はご覧になりましたか?
「拝見しました。1万人という数字に驚いています」
――そのうち富士宮ルートがトップのようです。
「それにも驚きました。開山期の登山者は圧倒的に吉田ルートを利用されるので、閉山期はなぜ富士宮ルートなのかと……」
――環境省の発表では、2025年の開山期の登山者数20万5100人(欠測期間あり)のうち、吉田ルートの利用者は12万1068人、2位の富士宮ルートは5万5100人と倍以上の差がある。それがなぜ、閉山期になると増えるのだろう。
外国人は多い
「それはなんとも……。記事を拝見したばかりですし、市として公式に取得した数値でもないので、信憑性については検証できていません。それでも人流データの分析とのことなので、事実と大きく変わることはないとは思います」
――これほど大勢が登山困難な閉山期に富士山に登ろうとすれば、必然的に遭難者も増える。静岡県警と山梨県警によると、2019から25年の閉山期、遭難者は計79人、そのうち死者は19人に上るという。そのため富士宮市の須藤秀忠市長は昨年来、閉山期の救助費用の有料化を訴えている。
「閉山後の登山は大変危険なので入山しないように訴えていますが、安易に登って遭難する人が後を絶ちません。救助する側も命がけとなりますし、救助のための莫大な費用が税金でまかなわれているわけです。それを遭難した本人から徴収することになれば、自覚も生まれるというわけです」
――市長が有料化を訴えた直前の25年4月、中国籍の男子大学生が2度にわたり富士山で遭難し、静岡県警の山岳遭難救助隊や山梨県の防災ヘリが出動した。閉山期の富士山での外国人の遭難はたびたびニュースになっている。もっとも、今回、読売新聞が報じた閉山期の富士山登山1万人のデータに、外国人は入っていない。実際、閉山後に富士山に登ろうとする外国人は増えているのだろうか。
「公式なデータはないのですが、肌感覚では多いと感じています。ニュースやワイドショーなどでもゲートを乗り越えて富士山に入って行く映像が取り上げられることは少なくありませんし……」
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