巨人・阿部体制の終焉 不祥事辞任で始まる“脱・目先の補強”と戦力再発掘

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 巨人にとっては、不名誉な緊急事態である。ただ、現場には「むしろプラスに働く可能性もある」との声もある。

 5月25日、阿部慎之助監督が長女への暴行容疑で逮捕され、翌日には辞任が発表された。個人的な不祥事によるシーズン途中の退任は極めて異例であり、球界の盟主と言われる巨人にとっても重い出来事となった。【西尾典文/野球ライター】

妥当な人事

 後を託されたのは、オフェンスチーフコーチを務めていた橋上秀樹である。巨人でプレー経験のない人物が指揮を執るのは球団史上でも異例だが、球団内部では支持する声が多いという。

「橋上監督代行は野村克也氏のもとで選手、コーチとして経験を積み、指導者としてのキャリアも長い。今年も作戦面については橋上さんが主導で戦っていたので、妥当な人事と言えるでしょう。2012年からは原辰徳監督のもとで3年間、巨人のコーチを務めており、今のコーチ陣には当時選手としてプレーしていた人が多い。その点でもやりやすいと思いますね」(球団関係者)

 阿部監督の退任が発表された直後のソフトバンクとの3連戦は1勝2敗と負け越したが、続く日本ハムとの3連戦は2勝1敗と勝ち越している。監督代行としてのスタートは、決して悪くないと言えそうだ。

 このタイミングでの指揮官交代は、チームにプラスをもたらす面もある。特に大きいのが、既存戦力の見直しである。

「どの監督も自分の色を出そうとして、それまでレギュラーではなかった選手を抜擢することは多いです。逆に、それまで主力だった選手がレギュラーを外されるケースもある。阿部監督もいろいろな選手を試していましたが、一度使えないと見切られた選手は、二軍で長く調整することも珍しくありませんでした。コーチ陣も阿部監督に『この選手を使いましょう』と進言して結果が出なければ責任問題になるので、言いづらかったという話も聞きます。ただ、橋上監督代行は同じコーチの立場で話してきた首脳陣も多く、選手起用について進言しやすくなった部分はあるのではないでしょうか。もともとポテンシャルの高い選手は多いですから、これを機に一軍定着、レギュラー獲得へつなげる選手が出てくる可能性は高いと思います。これまで出番の少なかった選手のやる気にもつながるはずです」(前出の球団関係者)

 実際、5月30日の日本ハム戦では、今季初登板となった西舘勇陽が6回無失点の好投でチームの勝利に大きく貢献した。日本ハムとの3連戦では、二軍から昇格したティマと中山礼都もスタメンで起用されている。彼らのような既存戦力の引き上げが、今後さらに見られる可能性はある。

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