成人祝いのロレックスを兄に売られてしまった49歳女性 「回収した30万円、オルカン投資じゃつまらない」異色の現物投資術をFPが解説

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最も手堅いのは、「最後の砦」の金(ゴールド)

「手堅いのは、やはり金(ゴールド)です。ただし、ブランド物のジュエリーはデザイン代や加工賃、ブランドのネーム代が上乗せされているため、売却時にグラム換算されると損をしやすい。現物資産として持つなら、純金の金貨や、加工が少なめのアクセサリー(平打ちリングや喜平ネックレスなど)がいいですね」

 ゴールドといえば、現在は1gあたり2万円台まで高騰しているが、この50年、世界情勢や為替変動によって大きく価格が変わってきた。1980年前後は5,000~6,000円台だったが、バブル崩壊後に900円を割り込んだ時期も。その後、テロや金融不安が相次ぎ「有事の金」として価格が再び上昇、20年代になるとコロナ禍、ウクライナ侵攻、中東情勢緊迫化、円安などが重なり暴騰している。そんな金を所有することが資産防衛につながるのか、不安に思う人もいるだろう。

「そもそも金は、値動きに乗じて儲けを狙うものではないんです。株も債券も暴落して、国家の信用すら揺らぐ、そんな局面で、世界中どこでも価値を認められる“最後の砦”。自分と家族を守るため、資産の一部を金に変えておく、それが世界の富裕層の発想です」

 30万円という予算であれば、山口さんが勧めるのは金貨だ。

「カナダのメイプルリーフ金貨などは、デザインもかわいく、持っていて気持ちも上がります。1/10オンス(約3g)などの小ぶりな金貨なら、1枚あたり9万円台(※2026年5月26日現在)で購入できるため、30万円の予算があれば3枚手に入ります」

 金を売却する際は、街の買取店に行くのではなく、『田中貴金属』を利用するのが鉄則だ。世界の金市場や造幣局が認めるブランドであり、店頭にその日の取引価格もきちんと明記されているため、買いたたかれる心配がない。前述の金貨の購入も可能だ。

閉鎖蒸留所のウイスキーやアートが…

「金貨を眠らせておくのが物足りなければ、ウイスキー投資も面白いですよ」と山口さん。すでに閉鎖された蒸留所の原酒や「イチローズモルト」などのプレミアム限定品は市場の流通量が減る一方なので、希少性から価値が下がりにくいという。中国の景気失速などでウィスキーバブルはやや落ち着きつつあるが、ワインほどの繊細な管理が不要な点もありがたい。

「東京で定期開催されるシンワアートオークションなどへの参戦も一つの手です」

 名前の通りアート作品を扱っているが、ビンテージウイスキーなどの出品もある。事前の下見会で現物を鑑賞し、気に入ったものに入札するしくみで、一般人も参加可能。30万円前後で落札できるものもある。将来的に価値が上がれば再出品による売却も可能で、何より日常空間に「好きなもの」を置く豊かさが得られる。

「金貨でも、ウイスキーでも、アートでも、株式の短期売買とは根本的に考え方が異なります。大切なのは、自分の人生を精神的にも物質的にも豊かにしてくれる現物を、資産の一部として手元に置くという発想です。取り戻した30万円を、ぜひそのきっかけにしてみてください」

※プライバシー保護のため、記事中の事例は、具体的な状況の一部を変更しています。

今回のアドバイザー/山口京子(やまぐち・きょうこ)さん
1966年名古屋生まれ。金城学院大学卒業。大学在学中から、テレビ・ラジオに出演。2000年にファイナンシャルプランナーの資格を取得。のべ2,500組以上の家計相談を受け、お金と人生の悩みを解決に向けてサポートしてきた。また、家計管理、貯蓄・資産運用のプロとして、金融庁、証券業協会、東京証券取引所の講演会にも出演。2024年には、「KOKUSAIには愛があるプロジェクト in あいち」のメインキャラクターに。『お金も人生も薔薇色!老後計画』(主婦と生活社)など著書多数。

取材・文/鷺島鈴香

デイリー新潮編集部

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